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【PIST6】盛り上がるような演出に“エンターテイナー”としての血が騒いだ吉田有希「その場に来て“生”で見て欲しい」/2021-2022「JAPAN HEROES」優勝者インタビュー

2021/12/07(火) 18:00 0 6

10月2日にTIPSTAR DOME CHIBA(千葉千葉市)で開幕した「PIST6 Championship」。競輪とは違った、全く新しい競技のPIST6に参戦した選手たちはどのような感想を抱いているのだろうか。今回netkeirin編集部では「JAPAN HEROESラウンド3」に出場した、家族揃って競輪選手という“競輪一家”で育った吉田有希選手にインタビューを実施。PIST6に参戦してみての感想や、同期への想いも聞いた。

※オンラインでインタビューを実施いたしました。

◆PIST6参加に向けての準備や取り組み

Photo by Kenji Onose

ーーPIST6への参加が決まってから、トレーニング方法や練習方法など変更された事はありますか?

 実はPIST6に行く前の1週間は競輪場が使えなかったり開催が入ったりで、何もやってなくて。さすがに何もしないのはマズいな…って思い、PIST6行く前日に競輪場行って、ハロン2本だけカーボンにディスクつけて走りました。それだけです。

ーー1週間練習が空いて体が軽すぎたなど、いつもと違った感覚はありました?

 僕、感覚がないっていうか、ほんとに無神経っていうか、そんなに気にしないんで(笑)。乗ってみて、「行ける」とか「行けない」じゃなくて、とりあえず走るっていう感じです。今回1週間練習が空いちゃっても、特に後悔もなくて、とりあえずPIST6出て楽しかったな〜としか思わなかったですね。

ーーS級A級混合で意識された部分はありますか?

 S級だからとかA級だからっていう風に考えなかったですね。A級でもすごい脚がある人はいますし、上手い人は上手いので。絶対に油断してはいけなくて、現行競輪とは全く違う気持ちで走りました。

◆PIST6を振り返って

Photo by Kenji Onose

ーーPIST6に参加してみていかがでしたか?

 普段の競輪と違って、選手から見てもすごく楽しくて盛り上がるような感じでした。炎が上がる演出は全然慣れなくて、入場する度にびっくりしました(笑)。

ーー1日2走・2日で4走は体力的にきつかったですか?

 普段の競輪だと休み時間も多いんでまったく筋肉痛にはならないんですけど、PIST6だと筋肉痛というか、乳酸がすごい溜まってて脚が重いなと感じました。

ーー1レース目と2レース目の間の時間はどんな事されてましたか?

 寝ると体が重くなると思ったんで、コーヒー飲んだり自転車乗ったりしてました。あとは、久しぶりに同期に会えるのがすごく楽しみだったので、同期とずっと喋ってましたね(笑)。どういう練習をしてるのかとか、いろいろ情報交換してました。

ーータイムトライアル含めてどのレースが一番難しかったですか?

 タイムトライアルが一番難しかったですね。正直バンクの上の方を走るのが怖かったです。競輪学校時代に壁走り(※)してしまったこともあって(笑)。それが今でもトラウマなんです。外柵にペダルをぶつけたりした事もあって、ちょっとビビりながら走ってました。

 あと、走行中は結構重力がかかるので、4コーナーのところで重力がかかりすぎて首が赤べこみたいになっちゃいました。その日の夜、首が痛過ぎてコルセットを巻きたかったくらいです(笑)。でも、寝るときに首の形を変えないようにしたり、いろいろと対策できたので、次の日には影響ありませんでした。

(※)遠心力がかかることで外側に膨らみ、観客席と走路を隔てている直角の壁を走ること。

ーー今回のギアは、タイムトライアルで4.85、1次予選と2次予選は4.64、決勝は5.00と、3パターンで走られましたが、理由を教えてください

 タイムトライアルの時は5倍かけたら踏み切れずに終わりそうだし、逆にギアかけなさすぎるとスピードが上がらなさそうだなと考えて「とりあえずこのくらいかな?」みたいな感じで『4.85』でした。

 実はPIST6に行く前、250の経験が多い早坂秀悟さんに「どれくらいのギアが良いですかね?」って相談したら、「あんまりかけすぎても仕方ないし、どちらかというと回すのが得意そうだから『4.85』くらいがいいんじゃないかな」ってアドバイスもらって。それでタイムトライアルは『4.85』で臨みました。

 1次予選と2次予選の時は、あんまり脚使うと次の日がきついだろうと思って。同県の朝倉さんも「4.6倍で俺は行った」って言っていて。じゃあ自分もそれくらいの方がいいのかな、ととりあえず『4.64』でいきました。そしたら、次の日の朝やばかったです(笑)。ギア比関係なく初のPIST6挑戦で体がバキバキすぎて、起きた瞬間「ベットから起き上がれない!」って思いました(笑)。

 決勝では相手が(渡邉)一成さんだったんで、もし自分が先行できなくて捲り展開になった場合にギアが軽すぎると不安でした。泣いても笑ってもラスト1レースなんで、思いっきりかけてみようって5倍で走りました。

 でも、完全に失敗です(笑)。『4.85』でよかったです(笑)。

ーー決勝の最終ラップで三浦選手が外に膨らんだ影響で吉田選手のレースにも影響が出たと思うんですけど、その時の心境や状況判断を聞かせてください

 残り2周半くらいで三浦さんが来て、その番手に一成さんが入ったんで、「あーもうこれは終わった」って思いました。でも仕掛けないと何も起こらないんで、自分も仕掛けたんですけど、一成さんはやっぱうまいですね。仮にアクシデントがなくても 一成さんを差せてなかったです。

 もっと車間をあけてスピード差をつけていかなきゃいけなかったんですが、それを落ち着いて出来なかったです。一成さんの横に並びにいこうとした時に、第2コーナーで自分の前輪が一成さんの後輪にちょっと接触して、そのままバンクの上に持ち上がって、びっくりして「うわぁぁ」みたいな変な声でちゃったんですよ(笑)。その瞬間に後ろを見たら瓜生さんの前に良い感じにコースがあいて、そのまま突っ切って…。もうどうしようもない感じでしたね。

ーーワールドカップでメダルを獲得するなど、トラック競技経験が豊富な渡邊一成選手と一緒に走ってみてどうでしたか?

 初日から余裕あって、やっぱり走り方が慣れていて脚もあるし、上手くレースも動かせてる感じで、レベルの違いを感じました。

◆家族や同期への想い

Photo by Kenji Onose

ーー謙虚なイメージがある吉田選手ですが、ここだけは「自分ってスゴイな!」と思える所があれば教えてください

 謙虚じゃなくて、自分に自信がないっていうか、そんなレベルの選手じゃないんで自分。ほんと控えめ控えめにやらせてもらいたいっす。

 でも、他の同期に比べてインタビューは上手く口が回ってるのかなって(笑)。自分は脚以上に口が回るんで、そこはちょっと切れ味良いんじゃないかなって思ってます(笑)。

ーーお兄さん2人も競輪選手として活躍されていますが、もしPIST6で兄弟対決が実現したらやりやすいですか?

 どこの誰よりも自分の手の内を知られてるんでやりにくいですね(笑)。自分がどれだけ力を出し切っても、練習で1回も勝ったことないんですよ。全部余裕で差されちゃうんです。

ーー119期の同期に向ける気持ちはどういったものですか? 例えば一緒に全員で上がっていきたいという感覚なのか、それとも自分だけ抜け出して「俺がキングだ!」みたいな存在になりたいかなどあれば教えてください

 正直僕は一人でしれーっとやりたいです(笑)。キングとかそういうのじゃなくて。変に注目されるとダメなタイプなんで、しれっとが良いですね。

 他の同期は僕なんかよりホントにもっと脚あるんで。岐阜の志田さんとか徳島の犬伏さんとか岡山の山根さんとか。全然脚のレベルが違うんですよ。僕はほんとにちょこっと、お弁当でいうお漬物くらいの存在でいたいんで(笑)。

ーーPIST6ファンに向けてメッセージをお願いします

 雰囲気がすごく楽しくて盛り上がって、その場にいるだけで気持ちがあがると思います。PIST6は『スポーツ』として楽しめると思うので、動画とか画面越しというよりも、その場に来て“生”で見て欲しいです!

 僕は競輪選手というより『エンターテイナー』の血が騒いじゃうんで、盛り上がるパフォーマンスをずっと考えてるんで、レースだけじゃなくてパフォーマンスも楽しみにしてください!

◆吉田有希選手のプロフィール(取材時)

出身  :茨城県
生年月日:2001/09/08
班級  :S級2班
身長  :168.5cm

【SNSはコチラ】
吉田有希選手のTwitter
吉田有希選手のinstagram

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