2021/11/04(木) 13:30 0 3
3Rの中国トリオの並びは細田純平の後ろに龍門慎太郎そして阿部亮治となった。広島-岡山-広島という変則的なもので、阿部が折り合ったことになる。初めに龍門が阿部に「前、回れ」と言われた際は「冗談ですよね?」と何度も確認していた。それでも阿部は本気だった。
「こういうのは点数じゃない。しょーもない選手ならワシも回さん。でも龍門には何度も世話になってきた。2人しかいない時はアイツに前で頑張ってもらう。だからこの並びは当然」と阿部はきっぱり。そこには確固たる信念がある。
「SS班やS級を見ているとそんなの当たり前にある。上がやっていることをチャレンジでしないのは変。こっちもそういうところを見せていかないけん。力の差とかはあっても『競輪をやっているんだから』」
阿部は地区、年齢問わずにあらゆる選手と交友しており、この日も119期代の新人選手たちに囲まれ競輪談義で盛り上がっていた。聞いていると100%書けないような危険な話題ばかりあったが、不思議と選手たちは引き寄せられる。内容も理不尽そうに聞こえて、なかなか芯を食ったような提言も多い。
「初日のレース、打鐘のところでみんな上にあがったでしょ。内をすくおうと思えばできた。でも、チャレンジに落ちて1期目だしそこまで切羽詰まっていない。本当ならやってもいいんだけど、そんなレースをするほどまだ落ちていないしワシはやれない。そう思えるのは練習でお世話になっている佐古(雅俊)さんを見てきたから。佐古さんからは『生き方が下手くそ』みたいに言われるかもしれないけど、『練習だけはさぼるな。出てこい』といつも言ってくれます」。
阿部が信念を曲げずに現役にこだわり続け、後輩たちへ熱く提言し続ける理由が分かった気がした。(netkeirin特派員)