2021/10/30(土) 15:00 0 3
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今回は寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)から“王者の走り”の好プレーを紹介! 前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
弥彦競輪場で開催された「第30回寛仁親王牌(GI)」は、21日、初日の1Rから熾烈過ぎる戦いとなった。スタートけん制による再発走から、どんなにこのシリーズが厳しいものになるか…と思わせた。
3日目(23日)の準決12R、中心に推されたのは平原康多(39歳・埼玉=87期)ー諸橋愛(44歳・新潟=79期)の関東コンビ。群雄割拠の準決メンバーの中、この2人がトリを、主役を、務める。12Rの相手には松浦悠士(30歳・広島=98期)や村上義弘(47歳・京都=73期)、渡邉一成(38歳・福島=88期)と大物も揃ったのだが。
しかし、いつもと変わらない走りが関東ワンツーにつながった。
最終BS、野原雅也(27歳・福井=103期)が先頭に立った後、渡辺がカマして出る。4番手から同じタイミングで踏み込んだ平原は渡邉の番手を奪い取る。レースの流れの中で、攻める、前に行く、脚を使う、平原の良さが結実した瞬間だった。もちろん、諸橋はピッタリ追走。
諸橋はレース後、この走りを「王者の走り」と評した。競輪の難しさを知り抜く男の評価こそが真実だろう。太田竜馬(25歳・徳島=109期)のまくりを合わせて、最終BS、渡邉の番手から出る。合わせ切る強さも本物。最後に接触があり審議になったので、★は4つとさせていただくが、掛け値なしの最強のレースだった。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)