初日特選は鐘から一気の飛び出しを見せた菊池竣太朗。流しても良いところも緩めることなく、そのまま踏み上げていく。その積極果敢な走りは、長期欠場明けとは思えぬほどの仕掛けだった。

　レース後に話を聞いてみると「以前も同じような復帰戦で小さなレースをして、(良い着を取って)味を占めたことがあったので、今回は大きいレースをしていこうと決めていた」とキッパリ。その言葉どおり、序盤から迷いなし。風を切るような加速で主導権を奪い取った。

「バンクは風がないのでちょっとペース配分が違ってしまったけど、先行しようと思っていたので主導権が取れたのは良かった」と手応え十分だ。

　復帰初戦ながら、動きには硬さも感じられない。小柳智徳の捲りに屈してはしまったが、むしろ積極的に流れをつかむ走りには好感が持てる。レース勘もすぐに取り戻していきそうな印象だ。

「準決は(先行に限らず)前々に進められればいいかな。相手の仕掛けを見極めれば中団も取れそうだし。一走したので、余裕を持って走れればいい」とすでのその目線は準決を見据えていた。

　復帰レースを攻めの姿勢で挑む菊池竣太朗。再始動のバンクで存在感を示せるかに注目したい。(アオケイ・真島記者）