2021/10/18(月) 18:00 0 4
弥彦競輪場で21〜24日までの4日間開催される「第30回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」。久留米記念を途中欠場した脇本雄太が今開催も欠場となり大混戦。普通に考えれば脇本の「代わり」になるのは新田祐大だが、新田も近況は芳しくなく、先行回数が増えてレース内容は良くなったが、以前のような爆発力がなくなってしまった。
脇本不在、新田もまだまだということで、優勝候補筆頭は郡司浩平と考える。体調不良により8月は丸々1ヶ月走れなかったが、9月に実戦復帰してからはすぐに「強い郡司」に戻って1着を量産中。直前の平塚記念ではGIの決勝戦みたいな豪華メンバーの中で優勝を飾っている。脇本の欠場で深谷知広が理事長杯に繰り上がったのも追い風で、初日から有利に運べそうだ。
すっかり令和最強コンビとして定着した松浦悠士&清水裕友も見逃せない。今まではずっと「安定感の松浦」と「ポカ癖の清水」という感じだったが、最近は逆で、松浦の方が成績にバラツキがありプチスランプ状態。2人が同乗した時は元気な清水が前で頑張ることになるだろう。
地元の関東地区は平原康多が軸になり、吉田拓矢、坂井洋、菊池岳仁といった若手の先行屋をリードしていく。今年の平原は、良くなれば落車、良くなれば落車の繰り返しでなかなか波に乗れないが、そんな中でも賞金ランク7位は立派。当サイトのコラム(勝ちペダル)で本人も言っていたが、新潟は14歳まで過ごした第二の故郷で、頑張りたい気持ちが強いはず。
「本当の地元」新潟からは諸橋愛と鈴木庸之の2人が出場。競走スタイルは全く違うが、両者共に熱い競輪が持ち味で、番組にも恵まれそうな今開催は4日間追いかけたい。特にベテランの諸橋は競輪人生の集大成として命懸けで挑む。
北日本地区は完調ではなくてもやはり新田祐大が中心になる。新田の番手は佐藤慎太郎の指定席で、このままいけば3年連続のグランプリ出場は8割方大丈夫そう。久留米記念の落車は心配だが、直前に行われた地区プロは元気な姿で出走している。
いわき平オールスターの優勝で超一流の仲間入りを果たした古性優作も引き続き好調。脇本の欠場は確かに痛いが、近畿のエースとして自覚を持って走る。古性の番手は同じ大阪の稲川翔が有力で、あとは村上兄弟との連係もあるだろう。
ここ何年かは他地区に押されまくっていた中部勢だが、山口拳矢の出現で流れが変わってきた。地元のビッグ(岐阜・共同通信社杯)を制した山口は賞金ランクもグーンと上がり、グランプリ出場圏内の9位にいる。山口とはなかなか決まらないが、浅井康太もだいぶ立ち直っており、この2人が引っ張っていく。
九州勢も個性的な面子が揃っている。中川誠一郎は一発屋の代表みたいな感じだったが、最近はきちんとした競輪をやっている。兄弟参戦となる山田英明と庸平も高いレベルでずっと安定。そして6年前の弥彦の親王牌の覇者である園田匠も忘れてはならない。あの優勝にはみんな驚かされたし、思い出の地で再び大暴れの予感がする。(アオケイ・長谷川記者)