準々決勝Bは2着までしか準決勝へ勝ち上がれない狭き門。寺崎は慌てず冷静に道中を見極め、得意のまくりで激戦を突破した。

「まくれる自信や感触があったから、落ち着いてタイミングだけ計っていました」と極力リスクを避け、悠然と構えて一撃で決めた。ここまでの2走は「ピリッとしなかった」とのことだったが、この日は「メンタル面もよく体も反応した」と本来の調子を取り戻しつつある。

　現在は賞金ランキング7位に位置し、年末のグランプリ出場も視界に入る。もちろん、目指すのはGI優勝だが、特別戦線で地道に賞金を積み上げることも大事なポイントだ。そういう意味でも、まずは決勝進出が最低限の目標となる。「結果も欲しいですけど、賞金もデカいしまずは決勝ですね」と目の色を変えている。

　そして来月には地元、福井で「第41回共同通信社杯(GII)」が控えている。「気が抜けませんね」と苦笑いするが、厳しい日程をこなすことはかえって緊張感があっていいのかも。5日目準決の正念場へ向けて、より一層、集中力を高めて挑む。(netkeirin特派員)