2025/07/18(金) 12:00 0 2
玉野競輪場で18日に初日を迎えた「サマーナイトフェスティバル(GII)」。独特の車券戦術を持つ「アオケイ本田編集長」が今シリーズの展望と注目選手を紹介します。
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いつも「ウマい車券」で予想購入されている方々、ありがとうございます。専門紙アオケイの本田です。今回は7月18日(金)〜7月21日(月)に玉野競輪場で行われます「第21回サマーナイトフェスティバル(GII)」の展望記事を書かせていただきます。
まず開催日数が今開催から変わった。3日制から4日制へ。オフィシャル的なコメントをするなら「白熱したレースが1日分増えた」だが、記者からすると、これが本当に良いの? と思ってしまう。
これでは既存のGIIと何が違うの? ただでさえ、同じ面子で同じような概定でお客は「代わり映え」しないグレードレースに飽きが来ているのに…。
もともとサマーナイトフェスティバルは2日制でスタート、1日9レース制だった。初日はオール予選で1着選手だけが決勝(最終日9R)へ。以下2着選手が8R、3着選手が7Rという、今までにない勝ち上がりトーナメントでファンはワクワクした。しかし今では…。この話はまたにしましょう。これから気になる選手をピックアップしていく。
季節は夏! 7月になって気温が上がり、一気に上がりタイムも速くなった印象がある。400バンクなら10秒台を叩き出す選手が数多く出てきている。今開催もこの「スピードレース」がメインとなるだろう。ならばマーク選手や抑え先行で上がりタイムがかかる「既存競輪」ではなく、スピード戦となる「近代競輪」でレースは進むはずだ。
脇本雄太は前検当日に欠場となったため、S級S班では新山響平、犬伏湧也などのスピードスターが見せ場以上の走りを見せるのではないだろうか。このあたりは各種展望記事でも多く語られているだろうから、詳しい言及は避けたい。なお、脇本は直前の弥彦記念決勝インタビューで「腰がどんどん悪くなっている」と話しており、決勝でも捲り届かずだっただけに、欠場はやむを得ない判断だったのかもしれない。
ずばり記者が狙うのはスピードスターが揃いに揃った「ナショナルチーム」に属している選手達!!
まずは太田海也(121期・岡山)。ご存じ快速カマシ、快速捲りに定評のある選手。5月の「日本選手権競輪(GI)」では2連勝で準決勝へ。6月の岸和田「高松宮記念杯競輪(GI)」では連日バック線を奪う走りで決勝へ。6着に敗れたが、次世代を担う自力選手は存在感をアピールした。初戴冠はもう目前。
次に中野慎詞(121期・岩手)。太田と共に競輪養成所を早期卒業した逸材。5月のダービー、6月の高松宮記念杯で7戦して3度の2着。その3度の2着はすべて逃げて、そして番手の選手が勝利してのワンツー決着だった。捲りに回ったら桁違いのスピードをみせつけてくれるだろう。いまは逃げに拘っているようだが、捲りに「回された」時には…。想像しただけで自然と笑顔になってしまう。その走りを実際にみてみたい。
最後に小原佑太(115期・青森)。2月の豊橋、全日本選抜(GI)では4日間、すべてでバック線を奪う積極果敢なレースをみせた。6月の高松宮記念杯では4日間のうち、3日間でバック線を先頭で通過している。中野同様に先行に拘っているようで、直前の6月青森F1では3日間逃げて、3着2着で勝ち上がって決勝3着。すべて北日本ラインで上位独占を決めている。今大会に感じよく参加してきそうで、4日間存在感ある走りに期待したい。
このナショナルチームの面々以外で活躍を期待したいのが以下の3人だ!
まずは松井宏佑(113期・神奈川)。元祖スピードスターといった印象。6月の高松宮記念杯の初日、豪快な捲りで勝利。上がりタイムはなんと10秒6! 破格なタイムだ。直前の7月小松島記念(GIII)の二次予選でも快速捲りを披露。勝利して上がりタイムは11秒0。組み立てが不得手な面は否めない、しかし脚を溜めて捲りに回った時の一発はGI級。そろそろ特別競輪を制してもおかしくはない。人気薄なら狙ってみたい。
次は山口拳矢(117期・岐阜)。元S級S班。近況は人気を裏切ること多々だが、それでも6月の四日市F1決勝では目標に続いて最終バックは7番手。絶体絶命の展開、それでも最終4角くらいから外踏んで前団一気のゴボウ抜き。強い! と感じてタイムをみれば、上がりタイムは10秒8。6月2日の出来事で、まだ気温はそこまで高くはない。それでこの上がりタイムはバケモノ。直前の7月川崎F1最終日、一般戦だっただけに負けるはずはなかった。当然捲って勝利したのだが、上がりタイムは10秒9だった。やはりポテンシャルはある。あとはキッカケだけ。それが今回出てくれるならV争いに絡んでくるだろう。
そして最後は村田雅一(90期・兵庫)。最近は特別競輪(GI・GII)の決勝常連。古性優作と同じ近畿地区の選手だから恵まれていると思っている人も多いだろうが、そんなわけがない。しっかり脚力をつけて、競走センスを磨いている結果である。今年に入っては2月の全日本選抜で決勝5着、3月の伊東「ウィナーズカップ(GII)」では決勝4着。そして6月の高松宮記念杯3戦目に落車。これで「終わった」と思われたが、続く前回の7月名古屋F1で完全優勝と、完全復活。今開催も波乱を呼んでもらいたい! 穴党ファンは常に狙ってみたい選手だ。
S級S班の8人に、ピックアップした6人が活躍するようだと、今大会はかなり面白くなってくるはず。もちろん記者が思っていない「伏兵」が現れるのも、それはそれで見てみたい! 4日間、選手の激走に期待する。