2021/10/03(日) 18:30 0 1
デビューから手探り状態が続いていたというが、8月の当地、佐世保を走った際に何か目覚めたという。「最終日のメンバーが出て、広島の阿部亮治さんと同じ番組でした。番手は九州の先輩の方で。そこで『お前、頑張るんか?』と聞かれたから頑張りますと答えたら『頑張るって言うのは誰でもできるもんだ』って言われて。何か嫌だなと思って黙ったら、今度はヨコにいた自分の同期の白井(優太朗)に『お前の同期は仏像か!』って言ってきて。何かイラっとしたんです」。
いわゆるベテランの洗礼を浴びたわけだが、免疫のない新人にとって、あの阿部じゃ刺激が強すぎた。それでも相手は大先輩。イラっとしていても、らちがあかない。入江は言われたらやるしかない!と頭を下げた。
すると阿部の表情が一変し「お前が死ぬ気でやるなら、オレも死ぬ気でやる!」と身を乗り出して九州ラインを固めてくれた。実際に入江は先行するも別線にまくられて着外。それでも「お前はよくやった、あれでいいぞ」と褒められたという。
入江は「デビューから何場所か走っていて、あの時は”競輪”だと思った。競技と違うなって。阿部さん、あんな怖そうなのに優しくて。前の日の夜はなかなか眠れなかった。頑張ろうって気持ちとイライラがあって…」と人間と人間がぶつかり合う漢字の競輪にふれあい、心が揺さぶられた。いわばプロとしての気質を叩きこまれたようなもの。
それからは「自分の走る開催にいつもいて欲しいです。何か知らないけど毎日来て自分にカツを入れに来てほしい!」とすっかり阿部の虜になった。重ねて言うが、普段はほんわかとしている20歳の若者にとって阿部は刺激が強すぎる。(netkeirin特派員)