2021/09/22(水) 14:00 0 2
23日より青森競輪場でみちのく記念善知鳥杯争奪戦(GIII・最終日26日)が行われる。主力選手の近況や、見どころを競輪記者・町田洋一氏に伺った。
共同通信社杯直後の開催と言う事で、S班やビッグネームの正規斡旋の選手は不在。普段のGIIIと賞金や競走得点も変わらず、主力メンバーにとっては美味しい大会だ。しかも、3着以内に入れば、来年の競輪祭のシード権も得られる。
芯になる選手が不在だったが、あの深谷知広が追加斡旋。これで、今大会の目玉が出来た。先月の小田原記念の準決で落車。その後、追加で入っていた静岡開催は欠場したが、幸い、骨には異常がなかった模様。直前、一緒にトレーニングをやっていた渡邉一成からも「深谷は心配ないし、仕上がっているよ」の言葉も得ている。当地の記念は相性が良く、2度優勝している。世界に通用するパワーで、長い距離を踏み込む。番手は同県、岡村潤。最近やや低迷していたが、直前の地元開催で優勝。直線も長く、深谷がゴール前に失速すると逆転もある。
「惜しい男」の異名がある山田英明も、当然怖い存在。真面目な性格故か、探究心が強く、逆に空回りしている印象もあるが、グランプリ出場やタイトル奪取は諦めていない。九州の若手からも人望があり、あのレーススタイルに憧れる若手自在選手も多い。S1の先行選手に成長した、愛称・ガルベスの上田尭弥を目標にする。井上昌己も追加で入り、この上田、山田、井上の九州トリオのラインも魅力的だ。
昨年、東口善朋はワッキーに離れない男として、急激に株を上げた。ただ、ヨコが厳しくなった分、タテ脚が落ちて、穴党を魅了する走りが少なくなったのは残念。G1・いわきオールスターの動きも悪くなく、同県の南潤を信頼する。
タテが持ち味の佐々木雄一もスンナリ回った時は強い。ヨコのもろさはあるが、今の競輪にマッチしている選手の一人。地元の坂本貴史、嵯峨昇喜郎、永沢剛、小原丈一郎らと北日本のビッグレースを盛り上げて行く。
関東は吉澤純平と武田豊樹の師弟コンビが主力級。吉澤は度重なる落車や、練習中のアキレス腱の断裂などあったが元気に復帰している。武田は全盛時を過ぎたが、それでも大物なのは間違いない。
中部は旧式大砲の吉田敏洋の存在感が目立つ。ナショナルチームを卒業した河端朋之もダッシュは抜群で組み立て次第だろう。
最終日の6レースにルーキーシリーズで好成績を収めた選手の「ルーキーシリーズプラス」が行われる。S級に特進した吉田有希が不在なのは残念だが、話題の犬伏湧也が天才的な走りを披露するだろう。