2021/09/22(水) 12:00 2 28
『netkeirin』をご覧の皆さんこんにちワシコー! 福井92期の鷲田幸司です。夏が終わって暑さに弱いワシコーの調子が上がって来そうで上がって来ない今日この頃。早いもので『netkeirin』で記事を書かせてもらうのも今回で3回目となりました。過去2回の記事は競輪界やファンについて真面目に書かせてもらいましたが、今回はワシコーの交流のある選手について自由に面白おかしく書かせてもらおうと思います。
全国には約2400人の(男子2204人、女子165人)競輪選手が存在するが、これだけ大所帯だとグループで練習をしている選手が多く、全国各地に数え切れない程のグループが存在する。これは昔からの流れで、やはり競輪が個人競技でありながらも、"ライン"という仲間と共に戦うという部分からそうなっているのだと思う。
例えば有名な練習グループだと
吉岡稔真さん(福岡65期・引退)の【不動會】
加藤慎平さん(岐阜81期・引退)の【闘心會】
宮倉勇選手(千葉58期・A級1班)の【真勇會】
などがある。グループ内での脚力の違いは多少あると思うが、同じ目的を持った仲間達と練習するのは相乗効果があるし、1人の練習では気付かない部分を指摘し合えるなどプラスになる部分が非常に多い。
だが同県の練習仲間ではなく他県の選手と交流を深めてそれがグループになるというパターンも存在する。そういったグループの中で今、最も勢いがあって業界が大注目しているのが
鷲田幸司会長(福井92期・S級2班)の【鷲田會】である。 だが発足したのはいつなのか? なぜグループになったのか? は未だに誰にもわからない。おそらくどこかの記念開催の打ち上げで意気投合した勢いで出来たグループで、メンバー全員が「脚力はないけどガッツだけはある」という共通点だけで会話が弾んで結成された感じだ。
それでも今となってはそれぞれの県での練習方法を聞いて意見交換をしたりして、上記のグループに負けないぐらいの気持ちで切磋琢磨して各々が地元でトレーニングに励んでいる。それぞれが特徴的で人間味がある選手ばかりなので、今回はその「鷲田會」のメンバーの特徴と車券戦術に繋がるマル秘情報を伝えたいと思う。
田中誠(福岡89期・S級1班)
九州を代表する久留米出身のガッツマーカー。「味方に対する義理堅さ」と「敵に対する恐ろしさ」は正にその筋の人。競輪では横の捌きを武器に敵ラインへの番手勝負や、イエローライン付近までブロックをする熱い選手。だが打ち上げでは飲んで歌って踊って最高潮になった所でラストは宇多田ヒカルの「First Love」を替え歌で熱唱するという寒い一面もしっかりある。競輪では車券対象の3着までには必ず入れておいた方がいい選手であり、買って後悔しない走りを見せてくれるだろう。
荻原尚人(宮城89期・S級2班)
上記、田中誠とは同期同級生で何のジャンルでもお互いガッツを出す事に対して意地の張り合いをしている仲。荻原尚人名言は競輪界でも非常に有名で「女じゃなくて女性だ」「男の浮気も女性の浮気も全部男が悪い」などの名言から、2020年女性をリスペクトするランキング【競輪選手部門】では堂々の第1位。競輪の方では前々に攻める自在戦が主戦法で、脚力はないけど身長とガッツがあるから車券の買い方としては彼の番手選手を1着で買うのがうまい買い方だろう。
伊藤拓人(静岡94期・A級1班)
鷲田會の副会長を務める彼は、野球で言えばキャッチャー、サッカーで言えばゴールキーパーといった縁の下の力持ちタイプ。そんな彼だが自転車に乗る時間よりもサーフィンで波に乗る時間の方が長い為、普段の生活リズムから「モーニング競輪」を得意としている。脚力的に余裕があれば田中誠に負けないぐらいのブロックを見せるが、基本的にぶっ離れて番手にいないのでそれを見れる事はほとんどない。だが彼の人柄の良さから前を走る先行選手は伸び伸び走れるという安心感があるので、彼の前の自力-全-全で買えば高配当が狙える。
西田大志(福岡98期・A級1班)
鷲田會No.1のエンターテイナーで、競輪界トップクラスのパフォーマー。ジャニーズとK-POPなら基本的に全曲歌えるが、そのレパートリーが余りにも多いから、ワットバイクをカラオケBOXに持ち込んで歌いながら自転車の練習をしているのでは? という説まである。そんなノリノリな彼だが普段は超がつくほどの人見知りで性格とテンションは周りが引くほどの High and Low。競輪ではラスト1周で5回以上立ち漕ぎをする必殺技「バックファイヤー」を武器に大活躍。だが彼の後ろの選手はその走りに翻弄されるので高確率で車券には絡まない。
櫻井正孝(宮城100期・S級1班)
上記、荻原尚人の一番弟子で師匠にプラスアルファの縦脚を兼備した北日本屈指のオールラウンダー。【頑張れるのに頑張らない選手に対して厳しい評論家】としても有名で、競輪ではもちろん打ち上げでもゲロを吐いてからが勝負で、死の淵まで行ってから人間は真価を発揮するという昭和の考えもしっかり持ち合わせている。カラオケの18番は Mr.Children でその日1日は年上でも彼の事を「櫻井さん」と呼んでいる。戦法の幅も広く安定感があるので、田中誠と同様に3着までには買っておきたい選手だ。
川口聖二(岐阜103期・S級1班)
全国の競輪選手のほとんどが一家に一台は欲しいと言う岐阜が生んだ「歩くスピーカー」こと川口聖二。鷲田會の中ではブッチギリの脚力とスピードがある為、逆に退会に1番近い男とも言われているが彼を嫌いと言う選手は今までに見た事がない。もしいるとしたら少し静かにしてほしいという選手だけだろう。グループ唯一の先行タイプで、高身長+スピード地脚なのでライン貢献度は非常に高い。自力選手なので成績にムラはあるが来る時はライン決着が多い。
他にも【鷲田會サテライト】として
安部貴之 (宮城 92期・S級2班)
塚本大樹 (熊本 96期・S級2班)
川口公太朗 (岐阜 98期・S級1班)
瓜生崇智 (熊本 109期・S級2班)
などとにかくスピードよりガッツを重視した玄人好みの選手達が集まっている。安部貴之と塚本大樹はほぼメンバーみたいなものだが、川口公太朗と瓜生崇智に関してはダッシュとトップスピードがあるが故に、副会長の伊藤拓人が受付窓口で入念な審査を行っている最中である。
競輪界最高峰のG1「日本選手権競輪」。
出場するには前年2月〜当年1月までの賞金ランク上位162人に入らなければならない。今年5月に行われた当大会には田中誠、櫻井正孝、川口聖二の3人は出場しているが、基本的に7人全員が「僅かな脚力」に「熱い気持ち」と「細かなテクニック」があるだけなので、全員出場となるとかなり厳しいのが現状だ。
だが目標達成に向けて荻原尚人先生が今までに誰も思いつかなかった名言をメンバー全員に言ってくれた。
「諦めたらそこで試合終了ですよ?」
この言葉を初めて聞かされた瞬間、7人全員に「気合い」の3文字が注入されたのは間違いない。選考期間が残り半年になって全員出場というのはかなり厳しい条件だがそれぞれのやり方で来年の日本選手権出場を目指す。
田中誠、櫻井正孝、川口聖二はG1常連組なので出場だけではなく準決勝、そして決勝を目指して更なる飛躍を。
荻原尚人、鷲田幸司はとにかくF1決勝とG3準決勝の進出回数を増やしてコツコツと賞金の上積みを。
西田大志と伊藤拓人は今期A級なので9連勝をしてS級特進+それでも162人には入れないので年末ジャンボ宝くじ当選を目標に頑張るしかない。
ファンの皆さんもレースの時に必ず応援している選手がいるとは思いますが、その応援している選手がレースに出ていない時は、ぜひ「鷲田會」のメンバーの走りを応援して頂けたら嬉しいし心強いです。そしていつかG1という最高の舞台で「超特大万車券」を皆さんにお届け出来るようにこれからもグループ全員で頑張っていきます!!