前検日にメンバーを見た時から「これは久しぶりにバックを取ることになりそうだな」と言っていたが、実際のレースはバック線だけではなくホーム線も取るロングの先行だった。

「久しぶりですよ、あんな早めに出かけたの。完全なる先行ですね。今日は見てもらった通りで、切って、切っての上を行く作戦。吉武(信太朗)君もまさか来るとは思わなかったって。でしょうね。俺、いつも捲りだから。してやったりです」

　番手で1着の中村浩士もこれには驚いたようで、「山賀、最高〜！！」と、拳を高く突き上げ喜び爆発。

「今の選手って後ろに付いても、行くの？ 行かないの？ どっち？ みたいなのが多いけど、今日の山賀の『考える前に行っちゃえ』っていうのはすごくいいです。ザ・昭和の競輪って感じで最高でした」と褒めちぎった。

　山賀自身は「オッズを見たら俺の押し切りが一番人気。それで勝てなかったのは申し訳ない」と反省を口にするも、「調子が悪ければ(行くのが)ここって分かっていても行けないし、そこはまあよかったかな。体と気持ちがしっかり噛み合ってくれましたね」と笑顔が多かった。2日目に行われる準決10Rも海老根恵太の前で再び動く番組。二夜連続でロングの仕掛けが見られるかもしれない。(アオケイ・長谷川記者)