2021/09/08(水) 09:45 0 0
準決勝最初の7R、櫻井太士が好ブロックで泉谷元樹のスピードを完全に止めた。前を庇いながら踏んだ影響もあって天野純平の強襲を許して2着だったが、これで8場所連続の決勝進出。今年は19場所走って、決勝を逃したのはたったの4場所。展開に左右されることが多い追い込み選手でこの安定感は凄い。
「あまり意識はしていないけど、着をまとめられていますね。自分でもビックリです」。
この充実ぶりはどこから来るのか。じっくりと話を聞いてみた。
「去年の1月から半年だけS級に上がったけど、それはそれはボロボロにやられて…。このままではダメだ、何かを変えなきゃって思ったんです。S級が楽しかったし、また上がりたかったから。最初で最後のS級にしたくなかった。それで、もう1年くらいになるかな。増成富夫さんや三宅達也さん、上原直樹さんたちの練習グループにお世話になっています。“一番、苦しいところに行こう”と考えて。それまでは苦しいのが嫌いだから逃げていたんですけどね。皆さん、凄いですよ。誰も手を抜かない。マグロって言われてます(笑)。すぐに倒れ込むから。そこからまた練習するんです。見習う部分ばかりですよ。デビューしてから初めて練習で吐いた。今年に入ってからも何回か吐いてます。それくらい凄いし、自分がこれまでどれだけ甘えていたか、と考えさせられましたね。成績を残さなきゃって思わせてくれる。結果を出して恩返しがしたい」。
それまで顔を背けていた苦しさと向き合ったことが絶好調の最大の要因だ。そして、「あと一つ」と話したのがフレーム。
「河端朋之のコピーフレームを作ろうと思っていたら、先に河端コピーに乗っていた柏野智典さんが“これに乗るか”と言ってくれて。それからほとんど決勝を外していない。練習環境を変えたことと、河端朋之フレーム。この二つでしょうね」。
この調子を維持してS級での戦いを早く見てみたい。もっともっと楽しい思いを味わえるだろう。さて、決勝戦は村上竜馬-吉永和生の3番手回り。直線は短いが、鋭脚発揮から今年3回目のVを狙う。(netkeirin特派員)