2024/12/27(金) 10:00 1 19
静岡競輪場で30日に開催する「KEIRINグランプリ2024(競輪グランプリ)」。伝説の場立ち屋・木村安記がKEIRINグランプリの展望、レースのポイントを紹介します。
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今年最後の大一番「KEIRINグランプリ2024」が、12月30日に静岡競輪場で開催される。勝者が手にするのは約1億4,000万という年間最高額の賞金が贈られるだけでなく、「グランプリチャンピオン」の栄誉も手にすることができる。その栄冠を目指し、9名の戦士はこの闘いに賭ける戦意、並々ならぬ想いを胸に当日、戦場であるバンクに立つ!
静岡競輪場は周長400m、直線56.4mという標準的な400バンク。今年2月の記念競輪後には大規模な走路改修が行われ、選手たちからは「軽い」と評判だ。ただし、冬場は風の影響を受けやすく、特に4コーナーから向かい風が2m以上吹くと、先行選手には厳しい状況になる。
競輪はライン戦。仲間と力を合わせ、強敵を打ち破り、苦難を乗り越えるモノだ。今年、それを体現したのが郡司浩平と北井佑季の二人。郡司は北井に2月の「全日本選抜競輪(GI)」優勝を誘ってもらい、北井は郡司の引き出しで6月の「高松宮記念杯競輪(GI)」で初タイトルを獲得。ともにグランプリ出場を果たした。
一見すると「行って来い」の関係にも見えるが、『獲らせてもらった』という意識は北井の方が強いはず。今回はやることはひとつか。
南関勢にとってさらに心強いのは、ギリギリ獲得賞金ランキング9位で出場を決めた岩本俊介が3番手をまわる。唯一のライン3車で挑める強みはあるし、北井が先行一本の選択肢なら、絶対的に有利な展開は郡司に傾くだろう。
一方、眞杉匠の動きも見逃せない。春から夏にかけて、先行だけでなく、まくりやヨコの動きフル稼働して、もはや目指すは最強の自在屋か!?と思わせる走りを見せてきた。眞杉がいったい何をするのか、を考える必要がある。
①まくりで勝ちにいくか
②郡司か岩本をターゲットにするか
③先行策を選ぶのか
この3つの可能性がある。
勝てば1億4,000万円。一発勝負の舞台で、無駄にヨコの動きで脚を使いたくないと思えば、①(まくりで勝ちにいく)はオーソドックスな戦法といえるが、郡司の見え見えの番手まくりを乗り越えられるかが課題。
作戦②で郡司をターゲットにするなら、早めにドカしてしまえば楽に運べる。ただ、郡司を簡単に捌けるかどうかが問題だ。一方で、岩本を狙うなら秒殺も可能。郡司の後位を奪い抜け出す展開になれば、勝利への最短ルートかもしれない。
③(先行)についてはどうか。眞杉にとって、この先何度もチャンスがあるとは限らない。平原康多が後ろについているなら、ファンとしては「風を斬る眞杉」を見たいなんて競輪ファンは思ったりするが、北井と先手争いになればまくられて終わる可能性も高い。仮に眞杉が主導権を取れても平原が勝ちきれるとはちょっと思えない切なさはある。
とはいえ、眞杉が逃げずに前に踏み続けるならば、どこかで必ずスキは生まれる。まくり合戦でみんな外々に踏み上げる場面で、空いたゴールデンコースを突くことができれば、ワンチャンスは十分あり得る。
そして脇本雄太。絶対王者と呼ばれた時期は過ぎつつあるが、やはりまだまだ底力は一番とみる。ただ、まくりなら指定席の8番手は見えるし、去年のグランプリ同様に長い距離を走ればいなくなるのもわかりきっているし、ちょっと買いようがないかな、と思うところ。
一方で、眞杉が北井と踏み合う、あるいは郡司や岩本に競り込むなど、何らかの抵抗を見せれば、まるで「古性優作と2人しか走っていなかった」かのような結末が待っているかもしれない。
単騎の清水裕友、新山響平は「車番が悪いよね」の典型例。ただ、清水はジッとしていないタイプ。あちこち動いて位置を取りに行くスタイルだし、もしかしたらひとりでも早めに動く新山に乗るのも一つの手段。
新山にとって今回のグランプリは初めて誰の顔色を気にせず勝負できる場。まくりでゴールを目指すだけ。ただ、眞杉がどれだけ混戦を誘発する闘いに没頭するかどうかにかかっている。清水、新山、脇本も、結局は眞杉次第で展開が大きく左右されそうだ。
そして最後にもうひとつ。 これだけ状態が不安視されていた北井佑季が、本番までにしっかり仕上げてきたのかどうか。ここが実は一番の重要なポイントかもしれない。
いつもウマい車券のご購入ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。