2021/08/30(月) 12:00 0 9
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」!今回もオールスター競輪からピックアップ。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
古性優作(30歳・大阪=100期)の優勝で幕を閉じたいわき平競輪でのオールスター競輪。古性、悲願のGI初優勝で、逃げた脇本雄太(32歳・福井=94期)との近畿ワンツー決着だった。8月15日は終戦の日だが、競輪の新たな戦いの始まりを意味する日となった。
今回は前々回、前回の中川誠一郎(42歳・熊本=85期)、深谷知広(31歳・静岡=96期)に続く完結編。競輪好プレーの“先行3部作”である。
トリコロールが、いわき平の空中バンクに揺れる。
三者三様の先行勝負。
決勝の脇本は、古性が後ろにいたからという愛の先行だった。「自由、平等、博愛」。青、白、赤、3色のカラーに夕闇が染まっていった。深谷が単騎で最後方から動いた。平原康多(39歳・埼玉=87期)が近畿ラインの後ろにいて、脇本は構えると7番手。まくりを狙えば、古性の優勝のチャンスはない。
そろばん勘定ではない仕掛けが深谷を追いかけ、叩き切る動きであり、そのスピード。脇本のパターンといえばパターンではあるが、古性と2人が生きるため。緩めずに速度を保っていた。今回の好プレーポイントは以上の2点。★はもちろん5つ。相手が相手、簡単に逃げてワンツーは決められない。
3回に続く形で先行、というものの好プレーを取り上げさせてもらった。競輪はもう一度、前に進む。頂点にいる男たちが見せた先行勝負。全国津々浦々の競輪選手たちの胸に、特に若手の自力選手たちに、届いたと思う。無限の星が舞うニッポンの空が、高い。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)