深谷知広は「ここを走ると(競輪場)全場制覇になるんです」と声を弾ませた。選手になって12年目に突入し今年31歳。中堅の域に突入している。

　さて、特選12レースの南関勢は松井宏佑と鈴木裕の3人。並びがどうなるかに注目が集まったが、ある程度の予想通りに深谷は松井と別に自力で戦うことにした。

「お互いに話をしてこうした方が共に満足のできる位置ですから」と、さも当然といった感じ。ただ「いずれ松井と連係をする時もくる。その時は番手を回ることになるけど、まだ自分も自力で動きたいので」と折り合いを付ける気持ちもどこかにある。

　そうは言っても、先日のいわき平競輪の「オールスター競輪」での怒涛の先行策を見てしまっては、周りからは何も言えない。「(松井と)お互いにここじゃないなとなって」今回は別線になったという。

　すべては深谷の腹ひとつということになる。(netkeirin特派員)