2021/08/24(火) 19:00 0 8
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」!今回はオールスター競輪からピックアップ。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
いわき平競輪で開催されたオールスター競輪の5日目。そろそろ佳境に入ったサバイバルシリーズ。
14日の準決9Rは深谷知広(31歳・静岡=96期)に地元の佐藤慎太郎(44歳・福島=78期)、成田和也(42歳・福島=88期)がつけるラインだった。すでに、激アツ!
シンタロウとナリタが築き上げてきたものは、みんなわかっている。
その先頭を走る深谷は、一番にそれを感じていただろう。
ドリームレースから素晴らしい先行を見せていたが、準決勝で、最も重要な場面で極めてきた。
「なぜ、先行するの? 」。
1948年から70年を越える歴史を持つ競輪。その中で、先行の意味を教えてくれるのが“深谷”だ。
風圧に耐え、フルボディに拷問のように絡んでくる摩擦係数をこらえ抜く。「オレがやらなきゃ、誰がやる」。後ろの2人を信じて、3人で決勝に上がるため。ラインで戦う意志を表明する。
ゴール後、先の方にいた成田の背中を「ビターン! 」と佐藤が叩く。そして深谷も「ペチっ! 」。
がっちり握手した後、深谷は佐藤に追いついて、2人でグータッチ、ペチっ!
まくって3人で、勝ち上がることもある。だが、先行、それも打鐘前から踏み上げる長い距離。そこに挑み、番手は番手の、3番手は3番手の仕事として結果につなげる。その連動が生む価値は、福島の夜に輝いた。その輝き、★5つ。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)