熾烈な戦いが始まるこの季節

　10月に入り、いよいよ秋本番の気候を感じる日が増えて参りましたね。そして40代に向けて夏の終わり頃から始めた健康生活が思いのほか、モチベーション高く継続中！ 走りに行く中で気温や湿度、街中の景色や匂いの些細な移り変わりを肌で感じられていることが新鮮！　選手も毎日、外で練習したり走ったりする中で同じように感じているのかもしれないと思ったら少しだけ選手目線？ に近づけたような気がして嬉しくなったり。ただトップの選手は残り2つのGIタイトル争いと賞金争いなどを控え、いよいよ年末のグランプリの出場権利を懸けた熾烈な戦いが始まります。

　特にボーダーにいる選手からしてみたら、1つ1つのことがグランプリ出場の権利に結びつく大事な時期だけに、神経も研ぎ澄まされて、競輪祭が終わり結果が出るまでのこの期間が1番長く感じそうで、メンタルコンディションもポイントになってきそう。SSを守る側としては脇本選手や深谷選手が理事長杯スタート組！チャレンジャー側としては岩本選手が特別選抜予選スタートと優位な立場から初日を迎えられるだけに注目の的になりそう。

寛仁親王牌の特徴

　もちろんトップのグランプリ出場権利の争いもGIの見どころのひとつ。まずは準決勝フリーパスのローズカップにいち早く出場できる選手が開催の中でホッと一息つけるだけに初日後半3個レースはその駆け引きも含めて見ものになりそうだ！ ただ親王牌の楽しみはそれだけではない。

　GIで唯一、デビューしてからすぐに権利取りのために地区プロへと参加することができるのが寛仁親王牌。元々、学生の時から自転車競技で実績をあげてきている新人選手からしたら、1番チャンスを感じるビッグレースになりそう。そして、また不思議なことに長年、記録が破られることがないベテラン選手や常連選手がどこまで記録更新できるのか？ 毎年、その存在を確認する度に寛仁親王牌の味わい深さを噛み締めながら観戦するのも、競輪歴が長くなってきたお客様の醍醐味だったりもするので、ぜひビギナーの方はその通な楽しみ方にいずれ到達するまで温めて熟して貰いたいです。

シリーズ注目選手

◆小松崎大地選手

　寛仁親王牌と言えばこの人！ 去年も決勝進出を果たしており、過去のビッグ7回中4回も寛仁親王牌で優出しているほど私の中で代名詞的なイメージになっている選手の1人。最近は自力だけではなく、人の後ろを回ることも増えたのでバック回数は昔ほど多くないが、いつでも一発は秘めていて、まだまだポテンシャルが高く、GI優勝に手が届きそうな位置を何度も経験している実績のある選手。

◆村田祐樹選手

　新人枠初出場の中でも特に注目している選手。中部では貴重な戦力になりそうな若手自力型。学生時代から自転車競技をやっていて、短距離から中距離まで経験しただけあって突っ張り先行や長い距離でラインを引っ張って独占する力もあれば、同型がいる時には、たとえ後方に置かれても強烈な踏み出しでロング捲りもぶちかませる。

　直近の岐阜記念ではいい感触が掴めたらしく、まとまった成績を残し決勝では裸逃げでトップ選手も数人いる中、3着に残った。直前の富山FIでは残り2周半から先頭に立って押し切り、S級初優勝と上向いてきている！オールスターに続く2回目のGI出場で前回より好成績を目指したい！

◆小林潤二選手

　寛仁親王牌のベテランかつ常連と言えばこの方を差し置いて語れない。通算8回目の出場！ 52歳になっても衰えることなく、今年は甥の小林泰正選手と一緒にエリミネーションでワンツーを決め権利をGETした。誘導員の時はキレキレなダンスで話題になったこともある選手！

　9月に落車して負傷明けなので過度な期待はできないかもしれないが、とにかく出場してくれるだけでなぜか安心する存在もまた貴重。来年はホームバンクの前橋で開催されるだけに11月27日に開催される関東地区プロからチェックしたい。

　今回の寛仁親王牌は前検日から最終日まで5日間、潜入レポートをお届け予定。開催を通して全日記事を届けるのは初となるだけに、現場の熱量をどこまで発信できるか今からドキドキ。