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【寛仁親王牌】賞金ランキング9位なのに優勝はゼロ! 徹底先行のS級S班・新山響平の車券貢献度を検証してみた

アプリ限定 2024/10/16(水) 09:00 0 8

17日に開幕する弥彦GI「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」。賞金ランキング9位、グランプリ出場権争いの渦中にいるS班・新山響平(30歳・青森=107期)も出場する。新山といえば「徹底先行」だが、果たして先行したときの車券貢献度はどれくらい? 直近1年間の新山の戦績から徹底検証した。

S級S班・新山響平は現在賞金ランキング9位(撮影:北山宏一)

【Part1.ビッグレース編】予選は「徹底先行」だが、敗者戦はそうでもない!? 明確な組み立ての違いが浮き彫りに

 下の表は、新山響平の直近1年間のGI・GII全戦績である。

■表①:新山響平のGI・GII戦績

開催特予1予2予特別
弥彦GI3HB-3HB4HB--7
小倉GI-4HB
1HB
-9-8HB2
岐阜GI9-2HB27HB--
取手GII4-2HB5--1
いわき平GI9-3HB6HB--3H
岸和田GI-1HB
1HB
-364-
松戸GII-2HB-7--2HB
平塚GI-1HB-1HB3HB8
5H
-
宇都宮GII-9----1HB
2B
2HB

※注1:「特予」は特別選抜予選。「特別」は着順にかかわらず上位戦へ進出できるレース(寛仁親王牌の「ローズカップ」、競輪祭の「ダイヤモンドレース」など)。「準」は準決勝、「決」は決勝、「敗」は敗者戦
※注2:松戸GIIの予選着順は一次予選の欄に記載
※注3:「KEIRINグランプリ2023(GP)」、「全プロ記念競輪in高知(FII)」は除外

■表②:新山響平のGI・GII着順データ

出走数1着数2着数3着数着外数
特予40013
1予74102
2予40220
準決81115
決勝30012
特別40004
敗者82411

予選と敗者戦は安定感バツグンの戦績

 まずは表①②の、一次予選と二次予選の成績を見てみよう。

 新山は一次予選7走、二次予選4走で、合わせて予選は全11走を走っている。その中で1着は4回(全てホームとバックを取っている。以下HB)、2着は3回(全てHB)、3着は2回(全てHB)、着外は2回(うちHB1回)。11走中10走でHBを取っており、3着以内に絡む率は81.8%。また二次予選だけにフォーカスすると、4走全てHBを取り3連対率は100%になる。ただし1着はない。

 予選とはいえ、GI・GIIで徹底先行を貫いて80%を超える3連対率を出す新山は、さすがS班である。

右(白)が新山響平(撮影:北山宏一)

 準決勝以上になると、当然、相手が厳しくなり、車券貢献度は落ちる。準決・決勝合わせて全11走中、1着1回(HB)、2着1回、3着2回(うちHB1回)、着外7回(うちHB3回)。3連対率は36.3%。先行も予選ほどできていない(HB率は45.4%)。

 GI・GIIでは初日に「特別選抜予選」が行われることが多い。今シリーズの初日、新山は10Rの特別選抜予選に出走する。特別選抜予選では1、2着はなく、3着が1回(HB)、着外が3回(HBは0回)。

 そして、新山は初日1〜2着なら、準決勝へフリーパスで進める「ローズカップ」に進出。3位以下なら二次予選AまたはBへ進む。

 二次予選に進んだ場合、上述のように、新山の3連対率は100%(ただし二次予選Bの場合は、2着までが準決勝に進出)。

 つまり、二次予選に強い新山が準決勝に勝ち上がる可能性はかなり高いと考えてよさそうだ。現実に、直近1年のGI、GII全9戦で、新山が準決勝に乗れなかったのは、直近の「共同通信社杯競輪(GII・宇都宮)」だけである。ではその勝負の準決勝、新山は8戦してHBが3回(うち1着1回)、HBなしが5回(うち2着1回、3着1回)で、3度決勝に駒を進めている。

 決勝戦では、3回のうち2回HBを取り、うち8月の「オールスター競輪(GI・平塚)」で先行して3着だったのは記憶に新しいところ。

 一方、敗者戦にまわったときの新山は、さすがに強い。全8走中、1着2回(うちHB1回)、2着4回(うちHB2回)、3着1回、着外1回である。

左が新山響平(撮影:北山宏一)

 最後に、新山のこの1年のビッグレースでの走りをデータだけで一覧して、レースの予想をするうえで非常に特徴的なことがある。

 予選と敗者戦で強いのは実力的に当然なのだが、予選では、一次予選、二次予選、合計11走してHBが10回。一方、敗者戦では、8走してHBが3回だけである。予選は意識して先行することで確実な勝ち上がりを目指しており、敗者戦では、先行にこだわらず人気に応える走りをしていることが読み取れる。

 さらに特徴的なことは、新山は、勝ち上がり戦でHだけ、Bだけというレースがひとつもない。極論すればシンプルに先行勝負に徹していると言えよう。ちなみに敗者戦では、HだけのレースやBだけのレースもある。

【Part2.GIII編】記念の二次予選でも3連対率100%!

 新山は今シリーズの後、26日開幕の京王閣GIIIに出場予定である。ついでにGIIIでの直近1年間の戦績も洗い出したところ、こちらも興味深いデータとなった。

■表③:新山響平のGIII戦績

開催場初特2予準決決勝敗者
豊橋3HB1HB38-
久留米1HB1HB1B7-
玉野3H1B7-1
いわき平9HB2HB2HB9HB-
奈良6HB2HB7-1B
松山73HB7-5HB
川崎9H2HB1HB7HB-
高知4HB2HB2HB7-
函館5HB1HB7HB-1B
久留米61HB2B6-
福井62HB1HB8HB-
富山2HB2HB1HB9-
青森5HB2HB2HB4B-

※注1:「初特」は初日特選

■表④:新山響平のGIII着順データ

出走数1着数2着数3着数着外数
初特131129
2予135710
準決134414
決勝90009
敗者43001

二次予選は13戦全てBを取り「全て3着以内」

 GIIIでも、注目すべきは二次予選だ。13走してHBは12回、残り1回もBを取っている。つまりG3の二次予選では、新山は90%以上ホームで先頭に立っており、バックは100%取っている。そして、3連対率も100%である。

 ちなみに新山は常に特選スタートなので一次予選は走っていない。

 準決勝もかなり強く、13走して1着4回、2着4回、3着1回、着外4回。HBも7回取っており、Bだけ取っているレースも2つある。一方、決勝は惨憺たる成績で、9戦して全て着外に沈んでいる。極端である。

 敗者戦は、4走中1着3回と強さを発揮しているが、やはりHBは1回しか取っておらず、その1回は着外に沈んでいる。つまり、敗者戦では、HBを取って勝っているレースはなく、3勝の決まり手は全て捲りである。この辺りはビッグレースと同様、「新山は敗者戦では先行にこだわらない」という法則はあるようだ。

 いかがだろうか。
ビッグレースもGIIIも、新山は3連対率100%の「二次予選」が買いだ! 17日開幕の寛仁親王牌、ベストな車券戦術で攻略して欲しい。

新山響平のグランプリ出場へ向けたラストスパートに期待したい!(撮影:北山宏一)


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