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【今週の競輪好プレー】新山響平”先行のたどり着く場所” / 平塚GI・5日目9R準決

2024/08/19(月) 12:00 0 18

東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週は新山響平の“先行”を極めた走りをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。

8月17日 平塚競輪「オールスター競輪(GI)」5日目 9R S級 準決勝

これまでの新山響平の戦いぶりが築き上げていた“先行”

 8月17日の平塚競輪にナイターGIの5日目9R準決は、新山響平(30歳・青森=107期)がある一つの地点にたどり着いたことを証明した。競輪の究極であり、先行の究極地点。強力を極める別線を封じ、北日本ライン3人で上位独占。3人で決勝の切符を手にした。

 かつて、番手の選手は何が理想か、という話が上がった時に、どんなまくりでも止めたり、競りを綺麗にしのいだり、という声が上がった。だが、究極は違うという答えがあった。「無風で、誰も来ず、まくりも迫らず、先行選手を差すだけ」。意外に思えるものだが、その番手選手を恐れるあまり、周りの誰もが何もできず、先行選手はしっかり逃げる、という内容だった。

 今回の準決9Rの新山は、先行でその形を作り上げた。新山と先行争いをしては、厳しい。そう感じさせることで、自分のペースに持ち込んだ。新山の先行ありきでレースが進んでいくことと、これまでの新山の戦いぶりが築き上げていた。

 初手は前受けしたかったそうだが「スタートで滑ってしまった」と後方から。後ろから抑えて、浅井康太(39歳・三重=90期)が4番手に追い上げてきたところを、好プレーポイントとしたい。

 深谷知広(34歳・静岡=96期)としては犬伏湧也(28歳・徳島=119期)の動きも気になって仕掛けられない。犬伏も下げ、そこに浅井が来て、とタイミングを取れない。新山は浅井の動きも利用して、気持ちよく駆けていく。

 番手を回った佐藤慎太郎(47歳・福島=78期)の「普段の響平の走りが生きた」がこのレースを完結させる。GIの準決という勝負の時に、これまでの戦いが生きた。スタートは失敗したとのことだったので、★4つの好プレーとしたい。

先頭3番車・新山響平(撮影:北山宏一)

すごいで賞=★★★★☆(星4つ)

▶︎平塚競輪8月17日 9R S級 準決勝の結果はこちら
▶︎前田節満載のコラム「前田睦生の感情移入」はこちら

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