2024/08/18(日) 19:30 0 8
なかなかタフなレースだった。前を任せた太田海也が別線の警戒を潜りながら先行体勢に入ると、ピッチがグングンと上がって行く。真後ろには伊藤旭が入っており一瞬の油断も許されない緊張感のあるレースだったが、桑原はビシっと内を締め、太田の加速に難なく対応し2着に続いた。
「(後半は)内線を外さないゲームが始まっていましたね(笑)。太田君には『オリオン賞のように、来てから合わせるのは無理だよね。レベルの高いレースなので自分でハイピッチに持って行った方がいいよ』とは伝えました。あとは『ここまでの4走の失敗を踏まえて、成長に変えられるような組み立てで走ってみれば』とも。だから追走していて嬉しい限りでした」と、昨年の10月寬仁親王牌以来の連係となった頼れる後輩の成長に目を細めた。
太田はナショナルチームで揉まれパリ五輪を経験し、たくましくなって帰ってきたものの、さすがに中0日の強行軍とあっては疲労もピークに達しており、久しぶりに走る日本の競輪への適応などにも苦慮していた。そんな悩める後輩に、桑原は押し付けるわけでもなく、サラリとアドバイスを送り、やさしく太田に寄り添った。太田もレースでしっかりと答えを出し、以心伝心の中国ワンツーが決まった。
「50歳になってもGIに出場することを目指しています。来年あたり、頑張らないと」と48歳のベテランはまだまだ気力に満ちている。(netkeirin特派員)