2024/07/28(日) 19:45 0 9
最終日は嵯峨昇喜郎の気持ちのこもった仕掛けを利して白星で締めた。3日目に惜しくも準決で敗退したが、仕切り直しには成功した。今シリーズのハイライトと言えば初日特選だろう。
メンバー構成上、単騎だった成田は「常にレースを冷静に見ているいい選手。連係したかった」と、同じく1人でいた古性優作を指名した。すると古性も「成田さんには今まで3番手を回ってもらったことはあったけど、番手に付いてもらうのは初めて。侍のような雰囲気があるし、後ろに付いてもらいたかったんです」と弾ける笑顔で歓迎し、両者の即席合体と相成った。
スピード競輪と呼ばれる昨今は、マーカーの存在感が薄まりつつある。実際ビッグレースに選出される選手も自力選手や自在タイプ、そしてタテ基本に動いていたが、年齢を重ね、自然と若手の後ろを回る機会が増えた選手などが大半を占めており、生粋の追込型の数は減っている。そんな中でも、成田は持ち場を守る安定の仕事ぶりで、45歳の今なお輝きを放っている。
「侍? そんなこと言われたこともないし、聞いたことも無いですよ。たまに(一緒に走りたい)と言ってくれる選手の話を又聞きで知るけど、本当にいるのかな?」と首を傾げたが、古性には成田の寡黙にこなす丁寧な職人芸が侍のように映ったのかもしれない。
初日特選は結果こそ伴わなかったが、もしも次回また一緒に組む機会があれば、破壊力抜群の鉄壁ラインとして機能するはずだ。(netkeirin特派員)