2021/07/21(水) 18:00 1 15
ガールズケイリン初期からトップ選手として活躍してきた山原さくらさん(104期・高知)。2019年11月、卵巣嚢腫茎捻転の緊急手術を行い、しばらくの間休場を余儀なくされました。2020年5月に復帰し、少しずつ調子を取り戻してきた彼女が感じてきた不安や葛藤、これからの目標など、さまざまなお話を2回に分けてお届けします。(取材・構成=netkeirin伊藤千裕)
ーーまずは山原さんの人となりから。オリジナルのレースジャージと、自転車が薄紫のカラーですよね。紫がお好きなんですか?
昔、(りゅうちぇる&ぺこの)ぺこちゃんにハマっていて。ぺこちゃんが好きな、アメリカの子供部屋みたいなパステルカラーが私も大好きでした。その頃の名残で、今でもライトパープルやラベンダーカラーが好きなのかもしれません。
ーーアメリカの子供部屋! ファンシーな雰囲気ですね。
実はサンリオとかも好きだったんです。昔からのファンの方はそれを知っていて、今もサンリオグッズをプレゼントしてくださったりするんですよ。
ーーレースジャージは花柄で、こちらもファンシー。山原さんのブログにも、よくお花が出てきますね。
母がずっとお花関係の仕事をしているのもあり、物心ついたときから生のお花に触れてきたので、自然と“花好き”になりました。子供の頃は母と生け花教室に行ったりしていたんです。今は時々、お花の鉢を買って楽しんでいます。
ーー山原さんのガーリーな一面を知れて、なんだか嬉しいです。
何歳になってもそんな風にいられたらと思っていたんですけど、24歳になったとき、ガールズケイリンの先輩方に「25になってもそれだったらヤバいぞ!」と言われて(笑)。
最近は大人っぽく、黒の服を着たりしています!
ーーお休みはどんなふうに過ごしていますか?
基本、動かないです(笑)。K-POPが好きなので、アイドルのライブ映像を見て可愛い女の子に癒されてます。
ライブは、EXILEの大ファンだった高校時代から大好きです。やっぱりパワーが貰えますよね。ストレス発散にもなるし、早く行ける日が来るといいですね。
ーー山原さんの性格をひとことで言うなら?
「底抜けに明るい」です。周りから、うるさいって怒られるぐらい(笑)。
ーー函館競輪・サマーナイトフェスティバルで行われた“ガールズケイリンフェスティバル”についてお伺いします。今回出場できたことを、どのように思っていますか?
素直に嬉しいです!! 以前は成績上位にいる人は出場できていましたが、近年は優勝回数何回以上…など、条件が厳しくなっていますからね。函館競輪場は優勝経験もありますし、サマーナイトは確定板に乗れた最初の大会ということもあって思い入れがあります。
ーー3日間走ってみていかがでしたか?
本当に、上位選手との脚力差を感じました。もう少し爪痕残せるかなぁと思っていましたが、今の努力じゃ一ミリも通用しないんだな、と痛感しました。
来月はオールスターがあるので、それまでには良いレースができるよう頑張りたいです!
ーー函館では、何かおいしいものは食べられましたか!?
後泊をして、岐阜の増田夕華ちゃんと海鮮を食べました! せっちゃんがイカを食べたいとキラキラした目で言ってたので、頼んで食べたらとってもおいしかったです(笑)。
ーー山原さんは体づくりのために、食事・生活習慣で気を付けていることはありますか?
食事から栄養をとるように心がけています。母が栄養の勉強をしてくれて、バランスのいい料理で、父(山原利秀・63期)と私を支えてくれています。
開催があるときは難しいですが、家にいるときは、なるべく夕食を早い時間にとっています。大体17時とか、18時ぐらい。夜も早く寝るようにしていますよ。
ーープロテインは飲みますか?
私、筋肉がつきやすい体質で。ホエイのプロテインとか飲むと、バキバキになっちゃうんです(笑)。
なので、DHCの置き換えダイエットプロテインをサプリ的に活用しています。父も一緒に飲んでいますよ。
基本はお肉をたくさん食べて、たんぱく質を摂取しています!
ーー練習はどのようにしていますか?
今は午前9時ぐらいから練習して、お昼食べて…みたいな感じですね。
病気の前は朝自転車に乗って、午後はウェイトトレーニングやピラティス、体幹トレーニングなどをしていました。
でも、復帰後から少し練習を抑えるようになりました。練習量を増やすと腹痛が再発する、というのが続いたんです。
ーー復帰後にも、病気の影響があったのですか。
手術後3か月は激しい練習をすると脱腸してしまうと医師に言われ、「3か月たてば元に戻れるんでしょ?」と思い込んでいました。
でも実際はそうじゃなくて。調子があがってきて「もう大丈夫かな」と思ったら、また腹痛に悩まされて…その繰り返しです。練習に力を入れようとする度に体に影響が出るので、トラウマになってしまいました。
ーーレースの結果ではなく、練習を頑張ることが不調を知るきっかけになってしまった。
私、練習が好きなんです。たくさん練習できることが、私の取り柄だと思っています。ファンのみなさんの応援に応えられる気がするし、一生懸命頑張ることでメンタルも安定しますしね。
それなのに、練習に力を入れられない。挑戦しようとすると、またお腹が痛くなってしまう。心身ともにしんどい状態が続きました。人生で一番つらかったかもしれません。
復帰後も変わらず活躍しているように見えていた山原さん。しかし、“完全復活”という希望が何度も打ち砕かれ、苦しい時期を過ごしていました。彼女がそれでもガールズケイリンを続けられたのはなぜか。次回の更新は、8月上旬を予定しています。