2024/06/25(火) 11:00 0 9
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは阿部力也の超絶のテクと熱い気持ちを披露した好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
6月23日、久留米競輪のGIII「開設75周年記念 中野カップレース」の2日目の二次予選11Rで阿部力也(36歳・宮城=100期)が超絶のテクと、熱い気持ちを披露した。うぉぉぉ。見ているものがうなり声をあげるような、好プレーだった。
宮城の銘菓・萩の月は真ん丸だが、この時の阿部は全身を三日月のような形に変え、ほぼまくり切ってしまう勢いの石原颯(24歳・香川=117期)を、止めた。それも、バックストレッチの直線部分で。ちょっと出られそうだったのに。
阿部の持ち味はタテに突っ込める追い込み脚。そんな阿部が見せたヨコのしぶとさ。首を伸ばし、曲げ、引っかけて…。小野俊之(48歳・大分=77期)がとにかくうまかった。
逃げているのは新山響平(30歳・青森=107期)で、言わずとも北日本の至宝だ。逃げ勝負に挑み続ける新山をどれだけ支え垂れるかは、北日本マーク陣のテーマとなっている。阿部もまた、やらなければならない。
ちょうどバック線の辺り、萩の三日月と化した阿部は石原を止めきる。新山を差すことはできなかったものの、微差の2着は価値がある。★4つの好プレーだ。
直後の12Rでは松浦悠士(33歳・広島=98期)が絶妙に番手で車間を切り、藤井侑吾(29歳・愛知=115期)のまくりを、スピードで合わせて止めるというスーパーテクを披露した。ただし、このレースの松浦は差さないといけない立場だったので、好プレーとして取り上げることはできない。
しかし、いよいよ戻ってきた松浦が、後半戦で好プレーを繰り出しまくることは、容易に予想できる。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)