2024/06/17(月) 12:30 0 4
「わかっていることはただ一つ、点数を上げるだけですから!」
今期も残すところ約2週間。S級点、A級点らの勝負駆け選手はラストスパートの時期だ。もっとも過酷で残酷な「代謝制度」争いもクライマックスを迎える。小倉ミッドナイトに出走中の武藤貴志は3期連続70点未満で平均競走得点が15日時点で下から24番目。このままだと30人以内の「代謝制度」に引っかかって強制引退となってしまう。今回と次節の青森FII。残り2節に競輪人生を懸けて臨んでいる。
初日は機敏な動きで逃げた小出慎也の3番手を確保。ゴール前で前を走っていた樫村伸平をかわして2着入線で準決勝進出を決めた。
「良かった。準決勝に勝ち上がれたことがなにより。もう、ちょっとしんどいですけど、これで今日もサウナに入れます。また明日ですね。発走機に入る時は脚が震えていた。でももう、覚悟を持ってやらないといけないんで。一戦一戦、もう頑張るだけです」
最後は冒頭のセリフ、“点数を上げるだけ”の言葉を残して控え室へ戻った。まずは準決勝行きを決めて首の皮をつなげた。泣いても笑っても、点数を上げるチャンスはあと5走。想定ボーダーを超えるには上位着を続ける必要があり、自身が上げても周りも上げて届かないケースもある。限りなく厳しく険しいチャレンジではあるが、話を聞いた限り、闘志は失っていないし、チャンスをものにする脚力もある。
準決勝は6R6番車で登場。事情を知る東日本同士の高峰賢治が「武藤君には世話になっている」と先手ラインを選択し、武藤が本線と目される九州勢の3番手を回る事に。僅かだが決勝進出の可能性も高まった。とにかくベストを尽くすのみ。全てが決勝戦のような一走入魂の戦いに注目しよう。(netkeirin特派員)