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【高松宮記念杯競輪】唯一の東西戦、戦力厚い県を調査! 昨年の一次予選ポイント勝ち上がりボーダーは?

アプリ限定 2024/06/04(火) 16:35 0 24

6月11日から前半戦最後のGI「高松宮記念杯競輪」が開幕する。2023年大会からガールズケイリンGI「パールカップ」新設に伴い6日制となった。ここでは高松宮記念杯の選考と、一次予選がポイント制で準決勝が4レースという特殊な勝ち上がりルールについても解説する。

昨年の高松宮記念杯で初日落車から4連勝、連覇果たし涙した古性優作(撮影:北山宏一)

競輪界唯一の東西対抗戦

 6月11〜16日に岸和田競輪場で開催される「高松宮記念杯競輪(GI)」。4月下旬に出場選手が発表された。

 1950年から続く歴史ある大会で、1973年から今まで競輪界で唯一の「東西対抗戦」として行われているのが大きな特徴だ。

 出場選手選考の時点から、東西に分かれて選抜される高松宮記念杯競輪。まずは選考条件から見ていこう。

【高松宮記念杯競輪 選考条件】※開催時S級
(1) S級S班在籍者
(2) 過去3回以上優勝した者(開催時S1)
(3) パリ五輪自転車競技トラック種目代表選手
(4) 選手選考対象期間において2ヶ月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(開催時S1)
(5) 東西別平均競走得点上位者(同点の場合は選考期間における選考用賞金獲得額上位者)
※選考期間は2023年10月〜2024年3月の6か月

 ポイントとなるのは(5)の「東西別平均競走得点」だ。競輪選手の“強さ”の指標として用いられる平均競走得点が重視されるため、比較的妥当なメンバーが揃う可能性が高い。

 高松宮記念杯競輪における「東西」は、以下の通りに分けられている。

東西地区
北日本、関東、南関東
西中部、近畿、中国、四国、九州

優勝した古性優作を囲む近畿勢(撮影:北山宏一)

都道府県別出場選手数は?

 決勝まで東西に分かれての勝ち上がり戦となるため、より近い地区の選手同士が連係する場面が多く見られそうだ。ここでは都道府県別の出場選手数を見ていきたい。

東日本

出場選手数都道府県
10神奈川
8福島
6茨城
5宮城、埼玉
4栃木、千葉
3群馬、静岡
2青森
1秋田、岩手、新潟、東京

※北海道、山形、山梨、長野は0

西日本

出場選手数都道府県
5大阪、徳島
4岐阜、岡山、愛媛、福岡、熊本
3三重、奈良、京都
2福井和歌山、山口、佐賀、長崎
1愛知、広島、香川、大分、沖縄

富山、石川、滋賀、兵庫、鳥取、島根、高知、宮崎、鹿児島は0

 戦力の厚さが目立ったのは、神奈川、福島、茨城の3県。そのなかでもやはり、郡司浩平北井佑季を擁する神奈川勢の層の厚さが目立っている。ダービーには12名が出場しながら、1人も準決に進めなかった。屈辱を味わった神奈川勢が“反撃”を見せるだろうか。

ダービーではまさかの二予敗退となった北井佑季(撮影:北山宏一)

高松宮記念杯出場選手の競走得点

 高松宮記念杯に出場する選手の、直近の競走得点はどうだろうか? 5月31日時点での点数で比較してみた。

 もっとも点数が高いのは古性優作で119.17で、清水裕友が119.06で続く、そのほかS班やGIを制した郡司浩平平原康多、さらに新田祐大北井佑季らが上位に名を連ねている。

 選考条件が競走得点のために極端に点数の低い選手はおらず、100点未満の選手はゼロ。5月末時点では松村友和野田源一が105点を少々切って下位にいる状況だ。

(撮影:北山宏一)

昨年から一次予選がポイント制に

 高松宮記念杯は2023年から6日制になり、一次予選がポイント制となった。特選などのシードレースはなく、S班を含めた全員が一次予選を2走して勝ち上がりを競う。

 先述のとおり東西に分かれたトーナメントになっており、東日本のポイント上位9名は4日目11Rの青龍賞、西日本のポイント上位9名は4日目12Rの白虎賞に進む。この2レースは準決勝フリーパスである。

白虎賞特別選手紹介(撮影:北山宏一)

 昨年の一次予選ポイント結果を見てみると、勝ち上がりボーダーは以下の通りだった。同点の場合は選考順位により序列される。

結果東日本西日本
優秀競走
(青龍賞・白虎賞)
23〜19pt23〜18pt
二予進出19〜10pt18〜10pt
選抜回り10〜4pt10〜4pt

※連勝すると23pt、9着2回で4pt

昨年の青龍賞を制した佐藤慎太郎(左)と白虎賞を制した脇本雄太(撮影:北山宏一)

準決勝が4レース、決勝はワイルドカード

 東西合わせて準決勝が4レースあるのも高松宮記念杯ならではだ(通常は3レースで上位3名が決勝進出)。

 そのため準決勝から決勝への勝ち上がりが厳しい。確実に決勝に進めるのは2着までの8名で、残りの1枠は東西準決3着の4名のうち1名だけだ。前走の着順でワイルドカード1名が決まるが、青龍賞・白虎賞に出場した選手が優先となる。

 昨年の決勝で準決3着から決勝に進んだのは松浦悠士(白虎賞2着)。ほかの3名は山田英明(西二次予選1着)、菅田壱道(東二次予選2着)、渡部幸訓(東二次予選3着)だった。

2023年の決勝は東が4車、西が5車だった(撮影:北山宏一)

2024年前半戦最後のGI

 前半戦最後のGIとなる「高松宮記念杯競輪」。3日目までは女子のGI「パールカップ」が行われ、男女それぞれ年末のグランプリ出場選手が決まる。

 高額賞金のダービーが終わり、賞金争いも本格化。前半戦苦戦を強いられ、上位陣に水を開けられてしまった選手にとっては千載一遇のチャンスだ。

近畿軍団に胴上げされる古性優作(撮影:北山宏一)

 “だんじり祭り”で有名な岸和田で、トップ選手たちの熱き魂がぶつかり合う。ドラマが生まれる瞬間を、ぜひその目に焼き付けてほしい。


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