2024/05/16(木) 20:30 0 4
前節の地元・和歌山で小出慎也が完全V。今年1月の向日町に続いて今年2度目、通算では4度目の優勝だった。今期は2017年以来、7年ぶりの3班降班。舞台をチャレンジ戦に移し、ここまで14節を戦い9度の決勝進出で2度のV。強烈なスピードを誇る若手たちを相手に好成績を残している。7月からは4期ぶりに1班に飛び級での昇班が決まっている。
「前回の優勝は準決勝、決勝で前(竹澤雅也)が頑張ってくれたし、点数ほどすごくいいって感触はないですね。若い子たちは本当に強い。自分がデビューした頃よりもチャレンジ戦のレベルはかなり上がっていると思います。チャレンジに落ちちゃったことで、一から基礎を作り直そうと思って街道での乗り込みの練習をやり始めた。その辺もいい原因なのかもしれない」
自力で動いて良し、マーク戦でも良し。A級1、2班戦の優勝歴はないが、準優勝の経験はある。そんな小出がそもそも、なぜチャレンジ戦に落ちてしまうほどの不振に陥ったのか。
「選手になる前の20歳の頃に敗血症になっちゃった経験があったんです。その後、競輪選手になって体調がなんか優れない時もあった。ここ何年かは練習したらキツくなって…を繰り返しちゃって。病院に行っても原因がわからなかった。でも自分の過去の話をしたら、“それは敗血症の後遺症だ”って言ってくださった方がいたんです。自分は敗血症の後遺症があるなんてわかってなくて。そこからレースを走りながらリハビリをやったりして、去年の8、9月くらいからかな。やっと体調面で“大丈夫”って手応えを掴めた」
ようやく不安なく戦えるようなった。波瀾万丈の人生を送ってきたが、今年1月の向日町で17年3月以来のV。さらに地元戦初優勝も飾った。
「何回も挫けそうになった。いや、挫けてました。でも子どももいたし、そんなことも言ってられなかった。頑張らなきゃ、って。敗血症の後遺症に気付けなかったら、そのままズルズルいってクビになってたと思う。優勝はとにかく妻が一番喜んでくれましたね。本当に良かった」
苦しい時期をずっと支えてきた最愛の妻、そして子どものためにも奮闘を続ける。まずは「いいイメージがない」と話す久留米での初決勝を目指して好スタートを切る。(netkeirin特派員)