2024/03/25(月) 18:30 0 8
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは責任と戦った脇本雄太の好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
3月24日に最終日を迎え、超激闘となった取手競輪「第8回ウィナーズカップ(GII)」の12R決勝は、脇本雄太(35歳・福井=94期)が制した。21日に35歳になったワッキー。今回の好プレーの対象としてはワッキーとするものの、もちろん、誰もが思うところと思うがこのレースは先頭の窓場千加頼(32歳・京都=100期)、3番手の古性優作(33歳・大阪=100期)と3人全員で作った好プレーである。
古性に関してはS取りから、後ろで援護する動きから、抜群の一語。ここでは、東スポレースチャンネルの動画に書き込まれていた「(こしょうは)万能調味料だよ!」というコメントを紹介しておきたい。
窓場はデビューから期待されながら、苦しい暗黒期に沈んでしまった。昨年から立ち直ってくると、強い、スピード感あふれるチカヨリとなり、そこに気持ちが入ってきた。“魂”が入って、近畿の競輪を決勝で、また勝ち上がりの段階でも示していた。この先にチカヨリの好プレーが出ることも期待し、今回は責任と戦ったワッキーの好プレーを書きたい。
決勝は近畿3人が強固に結束したものの、清水裕友(29歳・山口=105期)、北井佑季(34歳・神奈川=119期)、単騎の坂井洋(29歳・栃木=115期)と伊藤颯馬(24歳・沖縄=115期)の4人すべてが脇本のところをヨコの動きで狙っておかしくない選手だった。あまりにもタテが強い脇本なので、ヨコは必要としないほどだったが、年齢を重ね、またこうして後輩が前で回る時に課題を持っている。
耐え抜いた。今回の肝は「ここで守れなかったら、この後すべてで狙われる」という危機をはらんでいたところだ。「ワッキーは、やる」を見せつけなければ、弱点として定着してしまうことになる。大事な、大事な勝負だった。
脇本は北井との長い並走をしのぎ、最終BSでは北井に負けず、伊藤の後ろにスイッチして抜け出した。ただし、もっとできそうなこともありそうなので★は4つ。ワッキーはより、もっともっと進化するはずなのだ。
また、最後に伊藤の走りも素晴らしかった、と付け加えさせてほしい。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)