2024/03/12(火) 18:00 0 7
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは51歳の意地の見せた小林潤二の胸を熱くするをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
3月11日に最終日を行った四日市競輪ナイターFIの10R特選に51歳のオジサンレーサーの意地があった。小林潤二(51歳・群馬=75期)。回った位置は河合佑弥(29歳・東京=113期)ー平原康多(41歳・埼玉=87期)の3番手。平原の後ろ、だ。
重要な位置。2車単の人気は平原ー小林で240円。ムムっ…、続けるのか。
しかし多くのファンは今の小林の調子を信じ、勝負している。応えないといけない。渾身の追走を図る小林だが、最終3角から試練が訪れる。
河合のカマシにしっかり付け切って、ホッとしたまま、そのまま、直線まで、と思っていたところ。敵も意地を見せて来る。
今回の好プレーは、外に相澤政宏(44歳・宮城=99期)、内に近藤保(41歳・千葉=95期)にアンコにされた危機を潜り抜けた執念にある。特に近藤が内からあたった来たところを、肩をかけ、頭を出し、と鬼の形相で耐え抜いたシーンは、目頭を熱くした。
51歳が見せた執念の走りに★4つ。自転車競技のエリミネイションの名手として知られる小林が、もしかしたら、さらに上を見せてくれるかもしれない。優しいオジサンが、もっと怖いレースを見せてくれるかもしれない…と期待したい。
小林は玉野記念(瀬戸の王子杯争奪戦)の最終日、他地区の南関の青野将大(29歳・神奈川=117期)が自転車を片付けているところにおもむろに向かうと、片づけを手伝い始めた。「助け合いだから」。青野は恐縮していたものだが、競輪選手はバンクを離れれば、仲間。
小林「いや、これって別に、どこかで青野君の3番手に付いたら、前受けから全部突っ張ってね、とか、そんなんじゃないから。絶対、そんなんじゃないから!ねっ、ねっ!」
青野「は、はあ…」
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)