華麗なる山口一族の、お坊ちゃまの山口拳矢。父親は誰もが知る名レーサーだが、祖父も競輪選手だった。ダービー王になるには、脚力だけでなく、運も大事な要素。昨年、良かったのは、あのダービー1回だけだが、今年も地元全日本選抜を獲ってしまうかも。

「みんなに持っていると言われるけど、自分としては、そう感じていない(笑)。地元岐阜は共同通信社杯(GII)を制しているけど、GIは甘くない。もちろん、来月の全日本選抜に向けて仕上げている最中。だから、今回も調整なしで、いわき平に来ました」

　インフルエンザ明けで、今年緒戦になり、グランプリを振り返ってもらうと「深谷知広さんのS取りが早かったですね。みんな、新山響平さんの3番手は欲しかったと思う。自分も、それを考えていたけど、考えがまとまらないと言うか…。あのグランプリの雰囲気は独特。発走台について、『かまえて！』の号令も聞こえなかったぐらい。もう一度、味わいたいですね」。

　なんとなく、簡単に獲ってしまいそうだし、そういう星の下に生まれていそうだ。(町田洋一)