2024/01/14(日) 12:00 0 13
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは町田太我の選手たちも驚く長距離砲の好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
和歌山競輪場の「開設74周年記念 和歌山グランプリ(GIII)」の2日目の1月12日、二次予選の8Rで町田太我(23歳・広島=117期)が新時代到来の芽吹きを感じさせた。400バンクの2周先行。昨年は新山響平(30歳・青森=107期)が前受け突っ張り先行を確立したが、もう一つの戦法が生まれるかもしれない。
初手で後方になった町田は、前受けの佐々木堅次(29歳・福島=113期)、中団の谷口遼平(29歳・三重=103期)の警戒を、バンクを上がって見つめる。先頭誘導員を残り2周まで抜いてはいけないので、そのタイミングを見据えてダッシュをかけた。
あれっ、6コースからダッシュ戦をかけるボートレース?
内の選手たちは誘導員を気にして、町田より強く踏み込んでいけない。町田はラインで出切ってペースを握る。しかし、その距離800メートル…
冬の和歌山は気温も下がり、風も強いことで有名だ。番手を回っていた岩津裕介(42歳・岡山=87期)は「俺なら残り1周のところで退避しています」と話した。多くの先行選手ですら、このペースで駆け続けられるかは難しいところ。
町田は“先行日本一”の看板に手をかけた。現代競輪のルールに沿い、その中での最強に近づこうとしている。4日間持つのか、また、他のラインも対策を…という課題も出てくるわけで、今回の好プレーは一層の進化を求められる。
★は4つとしたい。完成形が出来上がった時、5つになる。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)