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【今週の競輪好プレー】太田海也の人間の尊厳“挑戦者として” /立川GII・初日11Rヤンググランプリ

2023/12/30(土) 10:00 0 6

東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは若手の頂上決戦「ヤンググランプリ」で優勝した太田海也のファンを魅了した好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。

12月28日 立川競輪「KEIRINグランプリ(GP)」初日11R ヤンググランプリ

2024パリ五輪で大活躍が期待されるホープが世代の頂点に(撮影:北山宏一)

 立川競輪場で12月28日に争われた「ヤンググランプリ2023」を太田海也(24歳・岡山=121期)が制した。2024パリ五輪で大活躍が期待されるホープが、世代の頂点に立った。そしてそれは、責任を負う。

 次世代スターが集った一戦。犬伏湧也(28歳・徳島=119期)が前受けの太田を抑え、単騎の中野慎詞(24歳・岩手=121期)がインを切る。吉田有希(22歳・茨城=119期)が仕掛ける。犬伏が2センターで吉田ラインの3番手から仕掛けていく。この犬伏の仕掛けにも意志を感じた。

 その時、だ。太田も踏み込んでいて最終ホームからは激烈なバトルになった。最終バックでのもがき合いは歴史の1ページとなる。「出られると思わなかった」は太田の真実の声だろう。犬伏に挑戦する気持ちが今回の好プレーにつながった。

 ★は3つ。太田の力強過ぎる走りはファンを魅了したわけだが、まだまだこれからだ。通過点。パリ五輪に向け、2024年は国内を走ることは少なくなる。とにかく、パリ五輪でメダルを、金メダルを…の可能性に突っ込んでいく。

 今回、このメンバーでの勝利は太田としては非常にうれしいものだろう。
しかし、喜んでいる暇はない。きらめくメンバーが揃った一戦を制し、世界に向かう身。負かした8人分の責任を世界に持っていかないといけない。

 無論、ナショナルチームの一員である中野としては、今回の敗戦を糧に、太田を上回るため、より闘志を燃やすことだろう。切磋琢磨して、パリでの結果につなげる。自分だけの戦いではないことを誇りとし、今回激走を見せた太田と中野には世界に挑んでほしい。

1番車(白)、太田海也(撮影:北山宏一)

すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)

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