この日、グランプリ出場メンバーによる公開練習が7R終了後に行われた。公開練習とは、選手たちがバンクを試走し状態を確かめるものだが、詰めかけているファンへの顔見せ的な意味合いもあるグランプリの恒例イベントだ。もちろん練習なので、本番の脚見せのような緊迫感はなく、それはノビノビとしたもの。

　見どころは、清水裕友と松浦悠士が並んで周回しているところへ突如、脇本雄太が追い上げ、併走しだしたところだ。一瞬スタンドはざわめいたが、練習後の会見で脇本は「冗談半分ですよ。(公開練習では)ダッシュをする予定は無かったし。お客さんに喜んでもらえるようサービスしようと。もちろん事前に清水君には伝えてありました」と種明かし。脇本の後ろを回っていた古性優作も「競ってましたね(笑)。挙動的に危ないなって思ったけど」とまさかの展開に苦笑いだった。

　"競られた"清水も「脇本さんにはあらかじめ言われていました。こんなところでコケたらシャレにならん、と思いながら走っていましたよ(笑)」と、よもやの追撃に肝を冷やしていた。そんなパフォーマンスもこの日まで。30日、最終日の大一番へ向けて、各々が勝負モードに気持ちを切り替えていた。(netkeirin特派員)