2023/12/23(土) 18:45 0 7
玉野競輪場の「ひろしまピースカップ(GIII)」は23日、3日目を終えた。最終日11Rを走る北村信明と木村隆弘に話を聞いた。
この2人は3日目の並びが決まるまでに時間がかかった。番組的には青柳靖起に付けられるのだが、どっちが前を回るかで数十分のやりとりがあった。
木村:今まで足場がない時に頑張ってくれているから俺が3番手! 俺は譲らんよ(笑)。
北村:そんなん前の話で関係ない。今の得点順に並ぼうよ〜。
このやりとりを繰り返していた。連係するであろう青柳は「記者さん。揉めているんですか?どっちが番手か」
ーーいやっ逆。どっちもが3番手でいいって譲り合っているの。
青柳:マジっすか!? 珍しいですね。
長い話し合いの末に決まった答えは
木村:俺が3番手です。今、競走得点が俺の方があるっていっても0.1点。そんなん関係ないでしょ。今まで前で頑張ってくれとるけん。
北村:ほんなら今回だけな。次はほんまに競走得点順に並んでよ。
と決定した。2人は同級生コンビで普段から大の仲良し。お互いを尊敬し、信じているからこそ任せ合える。以前からこの2人で連係した時の確定板入りは7割超えで実績も豊富。競輪は脚だけでは勝てないスポーツ。お互いの信頼関係があれば格上さえ倒すことが可能。2日目、北村が最終3角で内に潜り込み中を割って3着。木村は空いた外のコースを伸びて2着。
木村:今日のレースは北村君のおかげ。僕が後ろに居るから前々に攻めてくれた。そのおかげで僕のコースができたんですよ。これがあるから北村君に前を任す。みんな分かってくれるでしょ。これで2人の確定板率は8割超えたんじゃないですか?(笑)。
俺が俺がと自己主張する場面も必要だとは思うが、譲り合う所も必要。2人の信頼関係はこの先もずっと続くだろう。このレースでいかに信頼関係が大事か、気持ちが大切かを再確認させられた一戦だった。
最終日もまた難しいメンバー。中四国は山本奨、田尾駿介、北村信明、木村隆弘。北日本が新田祐大、保科千春。埼玉勢が岡光良、白岩大助。中部は吉田敏洋が1人。
中四国勢は「奨君に全員付くと新田祐大と2分戦みたいになってプレッシャーがかかる。分かれてやった方が気も楽だし、奨君もその方がいいだろう」と。
田尾:それなら僕は奨さんに付きたいです。
北村:じゃ俺らは吉田さんの了解を得て付かせてもらおうか。
ーーー吉田に了解を得てーーー
北村:じゃ俺らは吉田さんに行かせてもらいます。
ーーそこの並びはどっちが前?
北村:俺が点数通り3番手。昨日、今回はって言ったでしょ(笑)。
木村:そういうことで(笑)。今回は僕が番手を回らせてもらいます。
譲り、譲られこの2人は結束力を強めていく。(アオケイ・梅田記者)