2021/06/18(金) 06:00 0 0
東京スポーツの前田睦生記者がGP・GI・GII・GIII・FI・FIIのレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」!
今回は国際自転車トラック競技支援競輪の中で生まれた好プレーをピックアップ。前田睦生記者の小ネタと一緒にぜひご覧ください。
『父はエクアドル人』という、隙だらけだが信じるしかないガセネタを流されたことがある町田太我(20歳・広島=117期)。GIII初優勝を松山の夜に成し遂げた。問答無用の逃げ切り勝ち。この男、本当に強い!
師匠・吉本哲郎(41歳・広島=84期)が見つけた、町田のプロフィールの好きな食べ物「父の作ったペルー料理」。“そのまんまペルー人じゃアレじゃけえ”。
なんだか朴訥(ぼくとつ)とした顔つきが南米の香りも…と思ったが、広島人。
父は江田島の人という。名作漫画「魁!男塾」を思い起こす人も多いだろう。
江田島平八。この名前はえだじま、と読むが地名の方はえたじま。タツノオトシゴのような形をした島だ。なんか、長い。江田島平八はアゴのデカさの影響もあるが、顔が長い。町田も長い。航続距離が、長い。
同期のライバル菊池岳仁(21歳・長野=117期)がキバをむく。117期の早期卒業生としての意地を見せる菊池が、町田に食って掛かった。「いやな予感がするのう…」。田沢と松尾は、こう思った。
しかし、町田は力一つで乗り越える。「男塾名物、直進行軍じゃ!! 」
目の前に何があっても直進あるのみ。障害物は叩き壊すのみ。
町田は「男塾の漫画は読んだことがない」と話していたが、体の奥底にしみこんでいるかのようだ。菊池が番手にはまり猛追してくる。だが、バックで合わせる。直線、不屈の闘志で大ケガから復活した金子幸央(28歳・栃木=101期)の追撃も許さない。
金子が優勝だったら、金子を取り上げようと思ったが…立ちふさがった。
先行という戦い方で、ひるまず突き進む。ブレない。武骨過ぎる男。その豪快な走り、どんな抵抗があっても主導権を取りにいく好プレーと、かつて男塾を読んだ時の感動を呼び起こさせてくれたことも含め、★4つとさせていただく。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)