山口拳矢はニヒルな流し目でメンバー表を眺めた。さながら"水もしたたるいい男"とでも言おうか、実に気分よさげ。ところが1Rだと知ると途端に表情を曇らせた。「いきなりじゃないっすか！ 朝は弱いからできれば避けたかった…」と弱音を吐いた。

　そうは言っても、特別戦線の1R1番車は期待枠。3月「松阪ウィナーズカップ」に続いてのことで、スター候補としては避けて通れない道だ。

　前回の別府記念ではSS班の松浦悠士と準決と決勝で2度対戦して先行し、松浦の仕掛けを不発に追いやっている。松浦が「先行にこだわりのあるタイプとは思わず…。ああいう一面があったんだと」とおののいた内容のあるレースだった。

　朝は苦手とこぼしているが「1着を取れば準決へ行ける。その辺を意識して走りたい」とすでに戦況をにらむ。したたかに1着を取りに行くか、別府(オランダ王国友好杯GIII)と同様に華麗なロング駆けに打ってでるか要注目だ。(netkeirin特派員)