アプリ限定 2023/12/23(土) 18:00 0 17
11月26日、朝日新聞社杯競輪祭終了後に「KEIRINグランプリ2023」の出場選手および2024年シーズン「S級S班」となる9名が発表された。新時代を創る9名のヒーローたちの2023年はどんな1年だったのだろうか? グランプリまでの道のりを振り返りながら、選手の印象に残っている「今年の1本」について話を聞いた。18日から26日まで全グランプリ戦士が毎日登場! 今回は佐藤慎太郎編をお届けする。
5年連続9回目の出場となる佐藤慎太郎。「KEIRINグランプリ2019」を制しており、立川グランプリでの“栄光の記憶”を有している男だ。今年のグランプリまでの道のりを辿れば、5月に平塚GI「日本選手権」で3着、6月に岸和田「高松宮記念杯」で2着、10月には弥彦GI「寛仁親王牌」で2着となり、GIシリーズ3度の表彰台で賞金を積み上げ、ランキング4位で出場権利を手中におさめた。
いつの年にも増して“自力全盛”といった言葉が躍った2023年。その流れの中でも追い込み選手として躍動できることを証明した。出場選手を見渡せばただひとりの追い込み選手であり、ただひとりの40代。佐藤が勝てばKEIRINグランプリ最年長優勝記録は「47歳」に塗り替えられる。全国300万人のファンが佐藤の“ガハハ!締め”を待ち望み、輪史に名を刻む瞬間を願っている。
そんな佐藤慎太郎に「今年の1本」を尋ねると、5月の平塚GI「日本選手権競輪 決勝(開催最終日・11R)」との回答。レース映像と本人解説は以下のとおり。
「会心の一撃? それを声高に言えるようなレースはなかなか思い浮かばないな。強く印象に残っているレースを挙げるのなら、平塚ダービーの決勝。昨年後半は落車続きの負傷続きで計画通りに練習ができなかった。年が明け、復調を目指して地道に取り組んだわけだけど、平塚ダービーを迎える頃にやっと“好調”の感覚が戻ってきた。
開催初日に納得できるパフォーマンスができたように記憶しているし、シリーズの流れも悪くなかった。準決勝は響平が逃げてワンツースリー。素晴らしい走りだったよ。そして挑んだ決勝、最終直線にはオレが勝つためのコースがあった。だが脚にまったく余裕がなく、伸びていくことができなかった。言い訳もない。ゴール線で“オレって弱いよな”と痛感した。
“ダービー決勝は佐藤慎太郎のではなく山口拳矢の会心の一撃レースだろうがよ”って感じだけどね(笑)。まあでも、あのタイミングで自分の弱さを認識したレースだから。オレにとっては会心の一撃ならぬ“会心の気づき”って感じだったんだよ」
取材・構成:netkekrin編集部