アプリ限定 2023/12/22(金) 18:00 0 15
11月26日、朝日新聞社杯競輪祭終了後に「KEIRINグランプリ2023」の出場選手および2024年シーズン「S級S班」となる9名が発表された。新時代を創る9名のヒーローたちの2023年はどんな1年だったのだろうか? グランプリまでの道のりを振り返りながら、選手の印象に残っている「今年の1本」について話を聞いた。18日から26日まで全グランプリ戦士が毎日登場! 今回は松浦悠士編をお届けする。
昨年の「KEIRINグランプリ2022」終了後に“過去一番悔しいグランプリ”とコラムに綴った松浦悠士。2023年は年明け一発目となる和歌山記念で欠場し、その後も体調不良に悩まされ、一時期、賞金ランキングは60位台で推移していた。
その後3月の別府GII「ウィナーズカップ」で優勝し、急浮上したかと思えば、4月に武雄記念で落車。日本選手権は肋骨が折れた状態で参戦(※開催後4か月後に骨折痕を発見し判明)となった。6月は岸和田GI「高松宮記念杯」で決勝進出し、7月には函館GII「サマーナイトフェスティバル」で優勝。ここで好調の波に乗り込んだが8月に西武園GI「オールスター競輪」で落車。大怪我を負い、長期欠場を余儀なくされた。
“安定感抜群”のイメージが定着している松浦だが、2023年は浮き沈み激しい波乱万丈の1年であり、怪我との戦いの連続。それでも要所を締めて賞金ランキング5位でグランプリの出場権を獲得した。大舞台常連・松浦の“いよいよ”にファンの期待が集中している。
そんな松浦悠士に「今年の1本」を尋ねると、7月の函館GII「サマーナイトフェスティバル準決勝(開催2日目・11R)」との回答。レース映像と本人解説は以下のとおり。
「3連覇をかけて乗り込んだサマーナイトですが、初日から自分の体の状態に手応えを感じていました。準決勝前のアップ段階では初日よりもさらに仕上がっている感覚があって、とにかく脚の筋肉の張りが良かったです。
レースは最終ホームで古性君と稲毛さんの近畿ラインにスイッチしたとき、『あれ、かなりダッシュがいいぞ!』と感触の良さを確信できました。その後、1センターから2コーナーにかけて、ずっと加速していけるような感覚の中で踏んで行けたんですよね。そこからスピードを落とさずにゴールまで走れたのがとても気持ち良くて『まだ行ける、もっと行ける』といった爽快な感覚を久々に味わうことができました。今年1年を振り返れば、間違いなくあのレースがベストパフォーマンスです。
また、決勝で脇本さんと連係できたことも、僕の2023年の一大トピック。競輪人生の中で“日本で一番強い選手の旬の時期”についてみたかったので、それが叶い充実感を得ました。連載コラムにも書きましたが、3連覇ももちろん嬉しかったんですけど、脇本さんとワンツーを決められたことが何よりでした」
取材・構成:netkekrin編集部