2023/11/27(月) 18:00 0 8
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは坂口晃輔の残り半周を自分のものにした好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
小倉競輪場で開催された「第65回朝日新聞社杯競輪祭(GI)」の最終日2R一般で、“忍者”坂口晃輔(35歳・三重=95期)がスーパープレーを発動した。単騎の一戦、中団後方で身を潜めると、そこから縦横無尽の立ち回り。
「どこにいる?」
野口裕史(40歳・千葉=111期)が大川龍二(39歳・広島=91期)を突っ張った後、最終2角では外を遠回り。ヤバイ! 忍者、討ち果たされる…と思いきや残り半周を自分のものにした。
小松崎大地(41歳・福島=99期)の後ろの阿部力也(35歳・宮城=100期)を締めてコースを確保。野口の番手にいた鈴木裕(38歳・千葉=92期)が小松崎をけん制する内を、鋭く突いた。
「Oh,Ninja!」。バイデン大統領はこうつぶやいたと聞く。
見事に突き抜けた姿は、本丸の標的を捕らえる大仕事に輝いていた。
坂口はこのシリーズで、自身の着は5着だったが4日目の4R選抜で好プレーを見せている。山口拳矢(27歳・岐阜=117期)マークのレース。
内に詰まっていた山口のコースを確保するため、まくっていった太田竜馬(27歳・徳島=109期)ラインの3番手だった田尾駿介(31歳・高知=111期)を大きくはじいた。山口が最終BSから踏むコースを得て、伸び切って1着だった。
個人的にはこちらに好プレーの評価を与えたいが、自身の成績が5着ということで、前述最終日の忍者走りに★は4つとする。
何より、坂口はこうしたラインを援護する動きが非常に多い、当代きっての献身的な名レーサーだと、断言したい。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)