シリーズ初白星は逃したものの、町田太我に詰め寄る強襲策で2着に飛び込んだ。「周りの出入りが激しくて、自分だけ脚を溜められたので」と後方からの一撃は、あわや突き抜けたとも思われたほど。脚の状態は間違いなくいい。

　松本は脚力だけなら特別戦線のレギュラーを張れるだけの力はある。だが、位置取りの甘さなど淡泊なイメージが目立つため、上位との戦いとなるとどうしても苦戦を強いられてしまう。特別ともなると、位置取りをまるで苦にしない猛者たちがうじゃうじゃいるからだ。

　九州で言えば、中川誠一郎や北津留翼のような爆発的なパワーがあればまだ開き直れるが、そこまでのクラスには至らず、課題を地道に克服していくしかない。このレースで赤板からするりと内に抜けて前に位置を取ったシーンは、この先へ向けた取り組みの一環だ。

「締められて出遅れたけど内が空いていたし降りて前々へと。3走目も内で引けない場面。詰まってしまったけど今までの自分と違って対応ができた」と丁寧な運びが何より大事なのだと改めて実感し、うなづいた。

　最終日も機敏に立ち回り、白星締めと行くか注目だ。(netkeirin特派員)