2023/11/27(月) 12:00 0 24
伊豆急「南伊東駅」で下車すると、電車旅の疲れを癒やしてくれる清々しい空気に包まれます。伊東市は全国有数の湧出量を誇るだけでなく、気候が温暖で、「相模湾」と「天城山」に囲まれた環境で、市の花木として制定されている“椿”にとって絶好の生育場所とされています。なるほど「伊東市が花と海といで湯の街と言われる所以なんだな」と感心しながら歩いていくとあっという間に伊東温泉競輪場に到着です。
競輪場に到着すると伊東温泉競輪場公式アンバサダー野原美咲さんが出迎えてくれました。「おはようございます! 12月2日から椿賞争奪戦が行われます。ナイターGIIIですが、開催中は毎日競輪場におりますので、皆様のご来場を心よりお待ちしております」。この天使のような笑顔に癒やされたい方は、今すぐ伊東温泉競輪場へGO!
「腹が減っては戦ができぬ」ということで足早に伊東温泉競輪場のグルメスポット「伊東温泉横丁」へ向かい、調理を担当されている元競輪選手の木村さんに話を伺いました。
「42歳で競輪選手を辞めてこの仕事をはじめました。そうですね、今年で24年目になりますか。私の仕事は朝8時に来て、ラーメンのスープを作ることです。一番売れているのは普通のラーメン。昔はソウダガツオを使っていたのですけど、研究に研究を重ねていった結果、地元静岡のさば節に落ち着きました。そこに鶏ガラと野菜のうまみを加えていますからスープの味に自信があります。特にオススメなのがチャーシュー麺ですね。このチャーシューはお肉屋さんが作ってくれる本格チャーシューですから、みなさん是非食べに来てください」
それならばとチャーシュー麺を実食。スープはコクのある甘みとしっかりとした深い味わい。チャーシューはしっとりと柔らかく、スープとチャーシューのマリアージュがたまりません。心も身体もあたたまる優しいラーメンで、どこか懐かしいノスタルジックな気持ちにさせてくれるそんな逸品です!
お腹も満たされ場内を歩いていると、なんと伏見稲荷神社があるではないですか。その神社の周りに植えられているのがキンモクセイと椿です。「花が咲いたら甘い香りに包まれるのかな?」と想像しつつ二拝二拍手一拝。何をお祈りしたのかは内緒です。「車券が当たりますように?」それとも「推しの選手が無事に走ってくれますように?」
お祈りをすませたところでバンクを観に行くと、走っている選手との距離が近いこと近いこと。伊東市観光経済部公営競技事務所の今西さんにオススメスポットを伺うと、「このバンクがオススメです。山の中にある競輪場なので自然を満喫できますし、温泉市街地まで距離も近いですから、まずロケーションとして最高だと思います。とくに観戦エリアとバンクとの距離の近さについては自信を持ってオススメできます。また、全国で7つしかない333メートルバンクですが、その中でも最も直線が長いのがこのバンク。どうです? 迫力あるレースを観ることができること間違いなしです」。
また、指定席も今西さんに案内いただきました。指定席のある第4スタンドは昨年2022年10月14日にリニューアルオープンされ、快適に長居できて楽しめる空間に様替わりされたといいます。
「第4スタンドとミカリンサイクルパークの改修、そしてエレベーターが設置されました。またクラップシステムというキャッシュレスシステムが導入されて、ペーパーレスで環境に優しい競輪場を目指しています」
3階のロイヤルルームはシックで落ち着きがあり、いつまでもいられる“超快適空間”です。ロイヤルルームは予約制ではなく、先着38席の早い者勝ち。なお、2階の特観席も綺麗にリニューアルされ、128席が用意されています。
続けて新しくなった「ミカリンサイクルパーク」も案内いただきました。お子様も楽しく遊べる広場になっていて家族連れでも安心な施設です。
今西さんは「公営競技を楽しむお客さまがいれば、自転車競技として楽しむお客さまもいます。ですので、この場所でお笑い芸人の方を呼んだり、ライダーショーを催したりして、ご家族でも楽しめる場所を提供することで、公営競技を楽しむ以外にも地域の方に楽しんでもらうことが伊東温泉競輪場の役割です」
伊東温泉競輪の収益は公共事業にも使われているそうで、学校設備投資であったり、福祉施設へ補助金の寄贈であったり、競輪場と街が一体となっていることが魅力です。
「細かいところを見ると建物が古い部分もあって、良くも悪くも昔から変わっていないですけどね」。現代風にリニューアルされた建物と昔ながらの建物が融合され、優しい光に包まれる素敵な伊東温泉競輪場。日々の喧騒を忘れるのに、最高のオアシスと言っても過言ではないでしょう。