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【東京五輪】女子ケイリン優勝候補の小林優香「表彰台を外から見るか、表彰台に立っているのか」

2021/06/11(金) 12:00 0 5

東京五輪・自転車競技トラック代表内定選手の記者会見が9日、オンラインにて実施された。5月中旬、1年2か月ぶりの国際大会となった『UCIネーションズカップ香港』に出場し、女子ケイリンで日本史上初となる金メダルを獲得した小林優香(こばやし・ゆうか)に話を聞いた。(netkeirin編集部)

 東京五輪開催直前の国際大会で大きな成果を上げた小林優香(27歳・福岡=106期)。共同会見では「この1年間、長所であるスピードと持久力にさらなる磨きをかけ、日々の練習を通じてダッシュ力も強化できた」と胸を張った。五輪本番にピークを合わせるように、順調に仕上げているようだ。画面越しの小林はとてもリラックスした表情で、一つひとつの質問に笑顔で応じてくれた。

オンライン取材に応じる小林優香は充実している雰囲気があった(写真提供=日本自転車競技連盟)

ーーネイションズカップ香港ステージ、女子ケイリンでの金メダル獲得おめでとうございます。ゴールした瞬間のガッツポーズが印象的でした

 香港には金メダルだけを狙って入りました。その目標が達成できて嬉しかったと同時に、李慧詩(リー・ワイジー)選手を相手に彼女のホームバンクで勝てたことが感情として出てきたガッツポーズでした。

ネイションズカップ女子ケイリン決勝、ゴール直後に優香スマイルが弾けた(photo by the cycling association of Hong Kong China)

ーー李慧詩(リー・ワイジー)選手の名前が出てきましたが、五輪でも特に警戒していますか?

 李慧詩(リー・ワイジー)選手はトップ選手なので、もちろん警戒しなくてはいけない相手だと思います。でも戦うのは世界の選手たち。全員警戒しなくてはいけないという意識で臨んでいます。

ーー昨年、五輪開催が延期になり、変化の中でメンタルが崩れたという話が共同会見の中でありました

 1年の開催延期が決定して「もう一度頑張らないといけない」と頭ではわかっていましたが、なかなか体が反応しなかったです。精神的につらく、代表を辞退するというところまで、ブノワコーチと話をしました。

 辞めたいと思っている時期に全日本選手権(11月・前橋競輪場)でタイトルを逃し、悔しい気持ちになりました。この悔しさがあるのならもう一度やれるんじゃないか、東京五輪を最後にすると考えれば自分の全力が出せるのではないかと考えました。全日本選手権で結果が出せなかったことが、再び立ち上がるきっかけになりました。

ーー再び気持ちを入れてスタートした時、ブノワコーチからは何と声をかけられましたか?

 ブノワコーチとは何度も話し合ってきているのですが、全日本選手権が終わってすぐ、悔しい気持ちを味わっていた時に「もう一度戦えるよ」という言葉をかけてもらいました。ブノワコーチとは言葉で表現しなくても共有できる感情があります。本当に感謝しています。

ーー精神的な変化に対応しながら、ブノワコーチと信頼関係を築き上げて戦ってきたのですね。さて、今年はネイションズカップの金メダルのほか、4月末にはオリンピックのテストイベントで自己ベストを更新しています

 はい。今は前向きにトレーニングしていますし、苦しい中でも充実感を持ってやれています。とにかく前向きに、という感じです(笑)。東京オリンピックに向けてもう一段階上に行くために、これからもっとスキルアップしたいと思っています。

ーー直近の国際大会で金メダルを獲得、プレッシャーの方はどうですか?

 それがあったのが昨年だったのかな、と思っています。プレッシャーに負けてしまった部分が大きかったです。今の心境としては、男子二人よりはプレッシャーがないのかなとも思いますので…(笑)。気楽にやっていこうと考えています。

ーーさまざまな困難を乗り越えてきたと思いますが、自分を鼓舞する言葉や考え方があれば教えてください

 苦しい練習もありますし、きつくて足が動かなるときもあるんですけど、そういう時に自分に投げかける言葉は『表彰台を外から見るか、表彰台に立っているのか』というものです。つらい時にはこの言葉を自分に問いかけるようにしています。

ーーコロナ禍の五輪開催、その是非について今も議論が続いていますが、選手としてどのように感じていますか?

 私は本番があるつもりで、しっかりと準備をしていくだけしかないと思っています。

ーー自国開催となる東京五輪、どんな姿を見てもらいたいですか?

 幼いころから漠然とオリンピックというものに憧れていました。私はバレーボールをやっていたので、最初はバレーボールでオリンピックの舞台に立ちたいと考えていたんです。それが自転車に転向することになって、この種目ならオリンピックに立てる!と覚悟のスタートを切って、今までやってきました。その中で磨いてきた私の『ロングスパート』はぜひ見て欲しいです。

ーー最後に東京五輪への意気込み、目標をお聞かせください!

 女子ケイリンで金メダルを獲れるように頑張ります!

ネイションズカップ女子ケイリンの表彰台中央に立つ小林優香(photo by the cycling association of Hong Kong China)


 コロナの影響を受けて1年の開催延期となった東京五輪。小林優香は自転車競技トラック種目の女子ケイリン・スプリントの2種目に出場する。頂点だけを見つめて努力し続けた小林のロングスパート、誰よりも先にゴール線を通過して欲しい。

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