2021/06/09(水) 20:30 1 6
松山競輪場で10日から『国際自転車トラック競技支援競輪(GIII)』が行われる。初日の10Rに出走予定の小嶋敬二に話を聞いた。
遅めに競輪場入りした小嶋敬二がハードケースを開けて自転車を組み始めると、遠くの方にいた神山雄一郎がゆっくり近づき「社長、久しぶり! 元気だった?」と声をかけ、それから5分くらいずっと話をしていた(主に自転車メーカーのこと)。あまりにマニアックな内容のため、聞いているこっちはちんぷんかんぷんだったが、『時代』を彩ったレジェンド2人の楽しそうなやり取りを間近で見ることが出来、記者冥利に尽きるな〜と嬉しい気持ちになった。
小嶋は「神山さんは通算883勝で、俺は786勝。現役1位と2位です。いつかは神山さんを抜いてトップに立ちたいけど、50歳を越えて100の差をひっくり返すのは現実的に無理。たぶん、このまま2位で引退かな」と自ら分析。続けて、「あ、仮にどこかのタイミングで引退したとしても、解説者にはならないから。飽和状態で、需要がないでしょ? 絶対やらない」と笑いを取るのも忘れない。
そんな小嶋に神山との思い出を聞いてみると、「お互いバリバリのときは敵としてたくさんやり合ったけど、それよりも、3年前の佐世保記念(3日目の敗者戦)でラインを組んだことの方が印象に残っている。普通じゃ絶対ありえないけど、番組の粋な計らいで実現したんだよね。ちなみに結果は先行できず浮きっぱなしで2人して大敗。あれは本当に申し訳なかったし、今でもよく覚えている。この年齢になって大きな夢とか希望はそんなにないけど、もしできるなら、もう一度神山さんとラインを組んで走りたいね」。
小嶋の今期の競走得点を見ると96点ジャストで、いよいよA級降格かと心配になったが、どうやら公傷(競走中の事故で長期欠場の場合は今と同じ級班が保証される)が適用されるようで、本人も「ずっとS級で頑張るから!」と力強く語った。初日の予選10Rは大谷靖茂に任せてマークの競走。昔みたいに『小嶋だから許される』超シビアな番手捲りを久しぶりに見てみたい。(アオケイ・長谷川記者)