2023/09/06(水) 20:15 0 20
今の競輪は地区対抗戦。ビッグレースで勝つには2段駆けが一番有効な作戦と言える。松戸記念の決勝は、川越勇星に深谷知広と、岩本俊介に和田健太郎の地元勢に分かれた。記者は前検日と初日だけの取材だったので、決勝の詳しい並びの経緯は分からない。当サイトのニュースや現場記者からの情報を元にすると、岩本俊介の”強い意思“が働いた様子。
深谷知広の性格を考えれば、自分は3番手でも4番手でも良かったと思う。志願して前回りも、周りの理解を得られれば、普通にやってしまう。これが中部にいた時と、南関に移籍してからの決定的な違いだと思う。年齢的な深みが増したのか、それとも別の理由があるかは深谷自身が公言していないから分からない。
岩本俊介は「深谷君から川越君の番手を回って下さいと言われた。まあ自分が3番手の選択肢もあったけど、和田さんを4番手に出来ないし、自分も自力選手なので。見事にやられたけど、頑張っている人が勝つのが競輪ですよ」。
南関全体の事を考えれば、今の深谷知広の貢献度は大きいし、岩本俊介が自己犠牲に徹した。地元だから我が儘を言っても許されるが、そうでないのが競輪の奥ゆかしいところ。
和田健太郎は「あの並びは正解か不正解か分からない。どうあれ、深谷も岩本も俺に気を遣ってくれた。スタートを取れれば違ったけど、苦しい中、岩本も仕掛けている。今後、同じ様なケースが出てきた時に、どうするかが問題だと思う。色々なバリエーションがあるのが理想だけど、それぞれの脚質もあるので。競輪に正解のパターンはないからね」。(町田洋一)