2023/07/26(水) 19:00 0 10
S級に上がりたての伊藤は位置取りに重きを置いた、すばしっこい走りで前へ前へとグイグイたたみ掛けるレースが多かった。その代償はやはり落車。体にくるダメージはでかく、なかなか前進できなかった。
ビッグ、特別戦線のレギュラーになりつつある今では荒々しい立ち回りは封印し、基本的にはタテ1本で戦っている。その方が単純に脚も付き、将来につながるものだと分かっているからだ。それでも時たま内へもぐりこんでしまうのはご愛嬌で、もはや性(さが)みたいなもの。身軽で器用なのだから仕方がない。
自転車に明るく、熊本の同僚のみならず他県やガールズの選手までもが伊藤のところにセッティングを頼りにくるほどで、仲間たちと嬉々として自転車話に講じる姿はまだ少年らしさを残し初々しい。引退したあの西川親幸氏に「僕に何か言ってくるのは伊藤君と(松岡)貴久ぐらいです」と言わしめるほどの人懐っこさがある。
それでいてレースになると図太くなる。最近では岸和田GI「高松宮記念杯」の最終日には眞杉匠を、函館GII「サマーナイトフェスティバル」の2日目には坂井洋をやっつけるなど格上を相手に暴れ倒している。
7Rは坂本健太郎らに任され本線を担う。まずは受けて立つレースで好結果を残し、二次予選以降に続くであろうアテ馬街道に備える。(netkeirin特派員)