7月16日 函館競輪「サマーナイトフェスティバル(GII)」2日目11R S級 準決勝

　松浦悠士(32歳・広島＝98期)という選手は一体、何なのか。
　この前、好プレー原稿を書いたばかりだが、止まらない。決勝も良かったわけだが、松浦と脇本雄太(34歳・福井＝94期)についてはコラムの方で書いているので、2人の模様をぜひ、これからも味わい尽くしてほしい。

　好プレーは函館競輪場で開催された「第19回サマーナイトフェスティバル(GII)」の2日目だ。
　7月16日、酷暑の日本にあって涼やかな函館でのこと。壮絶な準決11Rをさわやかな汗を流して勝ったのが“松浦悠士”。右脳と左脳が揺れ動くーー。

　先頭にいるのは新山響平(29歳・青森＝107期)で、今や先行で頂点にいると言って過言ではない。そこに後方に置かれた古性優作(32歳・大阪＝100期)が見たことのない加速でカマしていく。「古性の好プレー！」と思ったのが束の間、松浦がガブリと嚙みついた。深谷知広(33歳・静岡＝96期)の勝機も、一瞬で奪い去った。

　松浦をマークしていた山田英明(40歳・佐賀＝89期)との連動ですかさず反応。古性の3番手にスイッチすると、そこからの加速が今回の好プレー。対戦相手との関係性で、すごいことが起きている、と左脳が動き、右脳はその松浦のスピード感にはじけるコンセントレーションとなって爆発する。うぉぉぉ！

　容易にはできないことを、現実にやってのけた完全★5つの好プレー！最終日6Rの佐藤慎太郎(46歳・福島＝78期)の走りもそうで、見ただけでわかるファインプレーがある。

　選手にしか見えない好プレーも多々あるわけだが、こうしてファンの度肝を一発で抜いてしまう走りは競輪の最高潮。

　年間大賞…、今年も、悩ましいぜ…。

すごいで賞＝★★★★★(星5つ)

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