2021/05/31(月) 17:00 0 5
東京スポーツの前田睦生記者がGP・GI・GII・GIII・FI・FIIのレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」!
今回は「三山王冠争奪戦」の決勝で起こった好プレーをピックアップ。前田睦生記者の直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
小倉竜二(45歳・徳島=77期)がまた一つの伝説を残した。
2017年9月向日町以来、約4年ぶりの記念優勝だ。前回優勝の向日町の時が2005年5月大垣以来、約12年ぶりの記念制覇だった。時を経ても変わらぬ存在感。
前を走る清水裕友(26歳・山口=105期)は勇猛果敢な走りで前団えに迫る。記念決勝初進出の脇本勇希(22歳・福井=115期)を竹内雄作(32歳・岐阜=99期)が叩く流れ。渡辺雄太(26歳・静岡=105期)が仕掛けた上を清水がまくる。壮絶な短走路のスピードバトル。
最終3角、バックから番手まくりの吉田敏洋(41歳・愛知=85期)と清水が並走。
どうする!? オグリュウ!!
清水が浮いた時を見据え、清水の後輪に、自分の前輪をちょこんと差し込む。吉田後位に切り替えている東口善朋(41歳・和歌山=85期)へのプレッシャーでもある。声も音もない、静かな技術。
2センター、清水が吉田を抑え込んでまくり切る動きに合わせて発動“オグフロント”。
4月の「競輪好プレー月間大賞」にも輝いた、古性優作(31歳・大阪=100期)の“立ちバック”(※)。これは動きそのものに対する表現だ。しかし今回のオグリュウのプレーはその究極系で、バックを踏む格好なのに推進する。
そういえば小倉さん…自転車推進委員会の会長でしたか。
最後は丁寧なハンドル投げでVゴール。古性は幼少からBMXでその技術を会得したといわれるが、小倉の場合はおそらく生まれてしばらくは上海雑技団で育てられたものと推測する。会長の好プレーに★をつけるのも失礼なところだが、4つとさせていただく。まだ、この上を見たいから。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)