加瀬らしい気風のいい4角カマシが見事に決まり、悠々と逃げ切り勝ち。年齢を感じさせぬ痛快弾でライバル達を沈黙させた。

「打鐘4角からのスピードが良かった？ いやいやああいう練習はしていたので。でも久しぶりの久留米でこんなレースができるとはビックリ。あのレースを弥彦でやれって感じ(笑)」と高笑い。レース後には渾身のガッツポーズを掲げ、うれしさはひとしおだった。

「先行するために大事な“踏み上げず、まくられず”の勢いで行けました。ただ55点強の選手がいたらまくられていたかもしれない」と反省も忘れなかった。しかし「けど、それでもいいんですよ」と平然としている。

　それは10年前にナショナルチームに在籍していた頃、坂本勉氏から授かった金言が頭にあるからだという。

「『しっかり踏んでおけば来ても1車。攻めて来られても2番手に入れるじゃないか』って。要はスケベ心を出すなってことですよ(笑)」

　先行職人として長らく戦ってきた自負がある。5Rガールズ予選2も全身全霊をかけた突進先行で加瀬らしく見せ場をつくる。(netkeirin特派員)