2023/07/03(月) 17:00 0 20
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは古性優作の勇気と知略が込められた好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
前橋競輪場の「開設73周年記念 三山王冠争奪戦(GIII)」は古性優作(32歳・大阪=100期)の優勝だった。
7月2日の最終日、決勝12Rは単騎での戦い。デキ抜群だった眞杉匠(24歳・栃木=113期)と地元の3車が関東別線の構図。深谷知広(33歳・静岡=96期)もいて、どう道を切り開いたのか。
戦前に古性は「状態は良くない。組み立てで何とかしたい」と話していた。いい位置を取ることは可能なメンバー構成だが、勝てるか…となると、まだ何か必要な感じだった。
抑えに行った深谷を眞杉が突っ張ろうとするところ。残り2周半のタイミングで、強引にインを切り、先頭に立った。勇気と知略が込められた好プレーだった。
狙いは何だったか。一番恐れていたのはすんなり眞杉が逃げる展開だろう。レースを一度ゴチャ付かせることが勝利への鍵。乱戦にすることで、位置を取ることが勝利につながる。
単騎戦だったが、古性ならではの戦い方で見事な勝利を得た。
もう一人の単騎だった松本貴治(29歳・愛媛=111期)も混戦に乗じて、かつ強気な仕掛けで見せ場を作った。関東勢、またまくれなかった深谷にとっては悔しいレースになってしまったが、古性が一人でその状況に追い込んでいた。
★4つの好プレーとしたい。
苦しい時に、どう打開するか。それは“勇気”を伴った走りと知らしめた。現代競輪の傑作ともいえる選手が見せた「ザ・競輪」だった。古性優作は“競輪の鬼”だ。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)