2023/06/27(火) 19:00 0 16
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは成田和也の渋い好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
久留米競輪場で開催された「開設74周年記念 中野カップレース(GIII)」の2日目(6月25日)、二次予選の11Rだ。昨年の年間好プレー大賞に輝いた成田和也(44歳・福島=88期)が小さな好プレーを見せてくれた。このレースは新田祐大(37歳・福島=90期)の番手回りだった。
新田の強さ、特に最近見せている自在性の高さ、も好プレーに挙げられるものだが、今回は成田のわずかな動きに注目したい。まくる新田を追走する最終BSから3角にかけてをダイジェストでつぶさに見てほしい。
成田は、内にも外にも人がいるところを、仕掛けていく新田に寸分離れず追いかけていく。少しでも空けば、他の選手が割り込む余地となる…。
ちょっと立ち漕ぎにしてみたり、座るポジションを修正したり、体をカクカクと動かしてバランスを保っている。周囲の動きに対応できるように、自分の形を変えている。
“ひとりテトリス”
障害物に引っかかって止まらないよう、スムーズに進行できるよう、そして、新田とのワンツーこそが人気に応えるものである以上、失敗はできないという責任感。
本人はおそらくまた、「いや、そんないいものじゃないですよ」と謙遜すると思うが★3つの渋い好プレーとして挙げさせてもらう。 テトリスはブロックをパズルのように組み合わせていくゲームだが、ある程度の予測がなければハイレベルのシーンでは成功しない。技術と経験が練り込まれた走りだった。
すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)