その前橋開設71周年三山王冠争奪戦(GIII)決勝での小倉竜二は、最終3角では目標の清水裕友の内に差し込みながら2センターで自転車を引き抜き外に持ち出す超絶技巧を見せて優勝を決めていた。

　小川は「いやー、あれができるのは小倉さんだけじゃないですか。(自転車を)抜く技術は凄過ぎる。内に差し込んでいる事で内に来る選手を殺す事ができるでしょ。そこから自分の踏むコースを作る為に外に持ち出すなんて。仮に直線ならできても、あのコーナーのところでできるなんて。あれは練習できない技。練習なんかでやったら自分の後ろにいる選手が落車して迷惑をかけちゃいますよ。小倉さんは天才です。清水裕友にも聞いたけど、あんな怪物を背負っていたら、抜かれる気しかしていなかったと」と熱い口調で語ってくれた。

　小川自身も前走の防府で優勝しているが、「直前に小倉さんに会った時に、おめでとうございますと言ったら、軽く『オマエもおめでとう』とオーラありまくりの物言いでしたよ。あのオーラもさすがです。自分の防府は佐々木豪が頑張ってくれて番手で恵まれただけですからね。何もやっていませんよ。あえて言えば、神様が普段努力している自分の姿を見ていてくれたって事くらいかな(苦笑)」

　さらに今回の初日に関しては「凄いメンバー。それに後ろも重い(阿竹智史)。楽しみながら走りたいけど、たぶん緊張しながらですね(苦笑)」。(アオケイ・渡辺記者)